開始7年目「ETC2.0」は普及した? 国が推進するも「メリット感じづらい?」 購入コストが弊害なのか

ETC2.0はメリット多いも、なぜ従来型より販売台数は上回らない?

 従来型となるETCよりも渋滞・事故の回避や各種割引が適用されるETCですが、なぜメリットがあるETC2.0よりも従来型のETCのほうが前述の出荷台数は多いのでしょうか。

 そもそもETC2.0を普及させる目的として、大きくふたつの目的があります。

 ひとつめは、ITSスポットによる双方向受信をおこなうことで、ユーザー側がどのポイントで事故が起きやすい、渋滞しやすいといった情報を収集することができ、その集計した情報から事故の起きやすいポイントにてユーザーへの注意喚起を促すことができます。

 一方で、道路管理者は交通が集中する箇所をデータにより特定し、賢くピンポイントで対策をおこなうことで、渋滞の緩和を図ることが可能となりました。

 もうひとつの目的は、物流関係の効率化です。

 事故が発生し渋滞が起こることで、物流関係にも負担がかかりますが、ETC2.0を活用することで、物流事業者はリアルタイムな位置情報により正確な到着時刻を予測することで、荷待ち時間の短縮に繋がります。

 こうした交通状況などの情報収集することで、スムーズな交通社会の実現が可能となるのです。

 しかし、一般ドライバーに対してのわかりやすいメリットとしては、一部路線の割引しかありません。

 その一方で、ETC車載器とETC2.0車載器では購入時に1万円から1万5000円ほどの価格差があり、現時点では購入時にその差を埋めるメリットは感じづらいようです。

さまざまな活用方法が考えられるETC2.0
さまざまな活用方法が考えられるETC2.0

 車載器の販売状況についてメーカー系の販売店スタッフは次のように話します。

「通常、新車購入時にはグレードやオプションの希望をある程度盛り込んだ後に、予算に応じて要らないものを無くしていく形で最終的な見積もりが完成します。

 その際、ETC2.0車載器は良いものとして最初は見積もり項目に入っていることが多いですが、最終的に1円単位で削っていくとメリットに見合わないという理由などで従来型の車載器に変える人は一定数おります。

 ETC2.0を普及させるにはユーザーにわかりやすいメリットをもっと打ち出すか、車載器の価格を従来型と同等にしなければ難しいのではないかと思います。

 ただ、それでも徐々にETC2.0のメリットを理解される人も増えているので、もうひと押しという印象です」

※ ※ ※

 今後、ETC2.0が従来型よりも普及するには、一般ユーザーに対する明確なメリットもしくは購入時の負担軽減が重要なポイントとなりそうです。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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