なぜ低価格SUV並みに人気? トヨタ高級SUV「ハリアー」納期9.5か月も コロナ禍で高級車販売に影響か
日本で1回目の新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が発令され解除された約1か月後の2020年6月17日にトヨタの高級SUV「ハリアー」が発売されました。発売から約半年経った現在でも納車待ちは最大で9.5か月だといいます。なぜ、激化するSUV市場において低価格SUV並みに売れ続けているのでしょうか。
ハイブリッド車は未だ7か月待ち…さらに4WD仕様は9.5か月も待つ理由とは?
2020年6月に4代目へとフルモデルチェンジしたトヨタのミドルサイズSUV「ハリアー」。
発売当初は、納車待ちが8か月以上との情報もありましたが、その傾向は半年経った現在も続いているといいます。では、現在のハリアーの納車時期や販売状況はどうなっているのでしょうか。
元祖ラグジュアリー都市型SUVとして人気のあるハリアーは、現行モデルで実用性はもちろん、高い質感やスタイリッシュなデザインを重視したクーペフォルムを特徴として登場しました。
日本自動車販売協会連合会が発表する登録販売台数ランキングによると、発売後の2020年7月には、いきなり4位にランクイン。前年比273.3%となる9388台を販売しました。
その後も順調にトップ10圏内をキープし、2020年通してでは13位の6万6067台を販売。発売から半年という期間であったことを考えると、驚くべき売れ行きです。
国内SUV市場でみると、トヨタ「ヤリスクロス」や「ライズ」に次いで3位となっています(ヤリスクロスはヤリスとの合算)。
しかし、両車と比べて最大300万円以上の価格差があることを考えれば、現行ハリアーは、SUV戦国時代ともいわれる近年で、非常に好調な「売上」を記録しています。
では、現在のハリアーの納車時期や販売状況はどうなっているのでしょうか。トヨタの販売店スタッフは次のように話します。
「2021年1月時点での納車時期は、ガソリン車は5月、ハイブリッド車は8月となっています。
加えて、Gグレードのレザーパッケージ以上かつ4WDでは、さらにプラス1.5か月ほどかかります。
ハリアーは高級感が持ち味ですので、上位グレードになるほど人気な傾向があります。
発売当初と比べ、ガソリン車はやや落ち着いてきていますが、ハイブリッド車はおそらく納車時期は半年を切ったことがありません」
発売後すでに約半年が経過していながらも未だに最大9.5か月待ちという数字は、高級モデルという立ち位置では驚異的ともいえる人気ぶりです。
では、なぜハリアーはそこまで大ヒットを記録しているのでしょうか。前出とは別のトヨタ販売店スタッフは次のように話します。
「ハリアーは高級モデルとして位置づけられていますが、購入されるお客さまのなかには、『安い』と仰る人が結構いらっしゃいます。
もちろん、コストパフォーマンスが良いという意味ですが、最低でも300万円以上のクルマでは滅多にないことです。
また、セダンから乗り換えるという人からの需要も目立ちます。実際に、『クラウン』から乗り換えるという人は数名いらっしゃいました。
お客さまの声として印象的だったのは『下手な高級外車よりも安いのに、そのクルマよりも高級』という言葉でした。
かつての高級車といえば輸入車、というイメージを目の前で払拭してくれ、売る側としても誇り高いです」
※ ※ ※
現行ハリアーは、先代モデルよりもやや価格を抑えながらも、質感を向上させて登場しました。
価格だけみれば決して安いクルマとはいえませんが、実物を見た瞬間に「安い」とまでいわせるとは、ユーザーの心を掴むトヨタの意地がうかがえます。
また、世界的にもSUVブームが起こるなか、ハリアーの比較対象は国産車はもちろん、輸入車にまで広がっているようです。
都会派SUVというジャンルを築き上げたパイオニアは、今や世界の高級車と肩を並べる存在にまで昇華しているようです。
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