イタルデザインの「GT-R」は輸入車だった! どこで購入し整備する?
ボディカラーが違うだけでまったく印象が変わる
覚えている人も多いだろうが、GT-R50 byイタルデザインは、イタルデザイン社の創業50周年にあたる2018年5月に、オフィシャルフォトと概要が発表された。
同じ年の7月には、前述のプロトタイプ「00」が、英国で開催される世界最高の自動車のお祭り「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で走行する姿を世界初披露。直後には日本に上陸し、今回と同じ「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」でも同じプロトタイプが展示されている。
そして歴代GT-Rの開祖ともいうべき日産「スカイラインGT-R(PGC10型)」の発売50周年にあたる2019年のスイス「ジュネーヴ・ショー」、あるいは日本国内でも翌年1月の「東京オートサロン2020」などに出展され、いよいよ2020年春には本格的な生産が開始される予定であった。
ところが、時悪しくもちょうど同じ時期から全世界を震撼させている新型コロナウイルス禍の影響で、生産拠点であるイタリアは欧州でもっとも大きな被害を被った国のひとつとなり、生産化スケジュールは遅延を余儀なくされてしまっていた。しかし、このほど再開に向けての新たな道筋が明らかにされることになったのである。
●ゼロカーと呼ばれるテストカーとは
今回「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」に展示された日産GT-R50 byイタルデザインのプロトタイプは、ボディやリアウイング、カーボンファイバー製パーツなどエクステリア各所の剛性や耐久性を試験するために製作されたものだ。イタルデザイン社内では「ゼロ(0)」カーと呼ばれ、主にイタリア国内のサーキットを中心とするテスト走行に供されたという。
そのカラースキームは、純白のボディ基調カラーにコントラストをなすブラックを強調した、きわめてスタイリッシュなもの。エンジンフードやリアフェンダー、インテリアにもイタルデザイン的なロゴタイプの「TEST CAR」が描きこまれる。
くわえて、イタリア登録のEUナンバープレートも装着されている。つまり、公道走行が可能なレベルまで仕上げられた、いわゆる生産型プロトタイプなのだ。
筆者は2018年7月の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にて、グレーメタリック/ゴールドメタリック2トーンのコンセプトカー「00」と間近で対面する機会を得たのだが、2年半後に目の当たりにしたプロトタイプには、以前とまったく異なる印象を受けた。
外観における最大の違いは、ホモロゲーション取得のために大型化されたドアミラー程度のものだ。しかし、ボディカラー/差し色のせいか「ケンメリ」ことC110系や「ジャパン」ことC210系など、往年のスカイライン各モデルを彷彿とさせるクラシカルなプロポーションと、現代的なハイパーカーの要素が巧みにミックスされ、なかなか魅力的にも見えてくる。
カラーの違いで個性をより強調できるこの特質は、ビスポークシステムを採る超少量生産車にとっては非常に好適である。さすがイタルデザインが手がけただけのことはある。
とはいえ、GT-R50 byイタルデザインはこれまでにも日本国内で幾度となくお披露目されており、既視感のあるVAGUE読者諸賢も多いだろう。
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