なぜ増えた? 3ナンバーでも「コンパクト●●」 人気コンパクトSUVのハッキリしない定義とは

曖昧なコンパクトSUVの定義…全長でなんとなく決まっていた?

 では、昨今人気のコンパクトSUVでは、何を基準にコンパクトSUVと呼んでいるのでしょうか。

 現在のコンパクトSUVジャンルを確立したモデルといわれていのが、日産が2010年に発売した「ジューク」で、従来のオフロードを意識させるSUVとは異なるスポーティかつスタイリッシュなSUVとして誕生しました。

 ジューク以降では、スバル「インプレッサXV/XV(2010年)」、三菱「3代目RVR(2010年)」、ホンダ「ヴェゼル(2013年)」、マツダ「CX-3(2015年)」、トヨタ「C-HR(2016年)」などが登場し、これらが日本における昨今のコンパクトSUV第一期モデルといえそうです。

 その後も、三菱「エクリプスクロス(2018年)」、スズキ「3代目ジムニーシエラ(2018年)」、マツダ「CX-30(2019年)」、トヨタ「ライズ(2019年)」、ダイハツ「ロッキー(2019年)」、日産「キックス(2020年)」、トヨタ「ヤリスクロス(2020年)」、マツダ「MX-30(2020年)」が続々と登場し、これらがコンパクトSUV第ニ期モデルといえます。

 第一期、第二期のなかでは、RVRとジムニーシエラ以外のモデルが新たに市場へ投入されたブランニューモデルとなり、2010年以降にコンパクトSUVジャンルが確立されてラインナップが拡大したことがわかります。

 では、これらのコンパクトSUVとされるモデルのボディサイズはどのように異なるのでしょうか。

 SUVにおけるコンパクト、ミドル、ラージの区別としては、全長サイズによる区分が一般的です。上限を全長4400mm台以下とするコンパクト、全長4500mm台から4700mm台のミドル、全長4800mm台以上のラージというのが一般的な認識でした。

 そのコンパクトSUVにおいて、もっとも小さいサイズは少し特殊ですが、軽自動車規格の「ジムニー」に樹脂製のオーバーフェンダーを装着したジムニーシエラの全長3550mmです。

 次に小さいサイズなのは、ライズ/ロッキーの全長3995mmとなり、全長4mを下回るモデルとなります。

 一方で、コンパクトSUVと称されるなかでもっとも大きなサイズは、これまでは、XVの全長4485mm。全長4545mmでミドルサイズSUVに分類されているマツダ「CX-5」とは60mmの違いでした。

 しかし、2020年12月4日にエクリプスクロスがマイナーチェンジしたことにより、従来モデルの全長4405mmから全長4545mmにサイズアップ。CX-5と同じ全長に延長され、エクリプスクロスはコンパクトSUVとはいえなくなったのです。

サイズアップでコンパクトからミドルに格上げとなった三菱「エクリプスクロス」(左:従来ディーゼルモデル、右:新型PHEVモデル)
サイズアップでコンパクトからミドルに格上げとなった三菱「エクリプスクロス」(左:従来ディーゼルモデル、右:新型PHEVモデル)

 このサイズアップに関して、三菱の販売店スタッフは次のように話します。

「元々、エクリプスクロスをコンパクトSUVとして訴求してはおらず、あくまでも『クロスオーバーSUV』としてお客さまには説明していました。

 細かなサイズ感を検討材料にされるお客さまには、一般的なサイズ感としてコンパクトSUVといえますと説明していましたが、エクリプスクロスに関してサイズを気にされる人は多くはありません。

 一方で新たに登場したエクリプスクロスはPHEV仕様がメインとなり、そちらの性能を全面に訴求しております」

※ ※ ※

 確かに、全長4400mm台ではコンパクトSUVといいづらい面もあり、あくまでも一般的な定義としての話として使われることに留まるようです。

 一方、コンパクトSUVラッシュはまだまだ続くといえ、2021年秋頃にはトヨタからカローラシリーズのSUVモデルとして「カローラクロス」の日本導入が噂されています。

 カローラクロスは、2019年7月にタイで発表されたブランニューモデルで、日本のみならず世界中で人気のカローラシリーズのSUVモデルとあって注目度は高く、日本導入を果たせば、コンパクトSUVジャンルがさらに激化するかもしれません。

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1件のコメント

  1. 欧州でのCセグメント以下を「コンパクト」と称し、数値的基準は全長じゃなかったかな?

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