1億円は当たり前!? ポルシェ「918スパイダー」並みのルーフ「CTR3」とは?

ルーフは1億円前後が相場!?

 ロンドン・オークションに出品されたCTR3は、2018年にRUFがジュネーブ・ショーに展示したモデルそのものだ。

●2018 ルーフ「CTR3クラブスポーツ」

CTRとは「カレラ・ツインターボ・ルーフ」を意味している(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
CTRとは「カレラ・ツインターボ・ルーフ」を意味している(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 カナダのマルチマティック社と共同で開発したプラットフォームに、ポルシェ製の3.8リッター水平対向6気筒にKKK製ツインターボを組み合わせて搭載。最高出力は標準のCTR3では682psを発揮するが、さらにこのクラブスポーツ仕様では777psにまで高められているという。

 ちなみにこのモデルを最後に、RUFはCTR3クラブスポーツの製作をおこなっておらず、その意味でも貴重な存在といえる。

 このエンジンに7速DCTのトランスミッションを組み合わせ、最高速は378km/hであった。

 気になる落札価格だが、「Sold After Auction」のみで、幾らであったかは不明だ。しかし、トータルで30台が生産されたのみのスーパースポーツ。参考までに今回オークションに出品されたCTR3クラブスポーツそのものが、2018年のモナコ・オークションにも出品された際の落札価格は、110万7500ユーロ(邦貨換算約1億4000万円)ほどであった。

 一方、オープン・ロード・オークションに出品されたモデルは、2008年に生産されたモデル。後のクラブスポーツとの大きな違いはエンジンのチューニングと、それに組み合わされるトランスミッションがクラブスポーツでは7速DCTであるのに対して、こちらはオーソドックスな6速MTであることだ。

 それまでのCTRシリーズは、あくまでも911をベースとしたエクステリアデザインを採用していたが、CTR3は完全にRUFのデザインによるもので、オープン化すれば「カレラGT」や「918スパイダー」にも近い、きわめて前衛的なスタイルが採用されているのが分かる。

 このCTR3の最初のカスタマーは、南カリフォルニアの著名なコレクターで、ストーングレーのカーペットやグレイアルカンタラトリム、さらにさまざまな装備でキャビンはグレードアップされている。走行距離が納車からわずかに2720kmというのも大きな魅力だ。

 当初エスティメートは80万−100万ドル(邦貨換算約8300万円−1億300万円)であったが流札。しばらく85万ドル(邦貨換算約8800万円)で継続販売されていたが、どうやら売買が成立したようである。

【画像】ポルシェのようでポルシェではないルーフとは?(30枚)

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