1億円は当たり前!? ポルシェ「918スパイダー」並みのルーフ「CTR3」とは?

通称「イエローバード」でその名を知られているルーフが作ったオリジナルカー「CTR3」は、激レアモデルである。そのCTRは通常モデルとクラブスポーツとではどれくらいの価格に差があるのか、オークションでの落札価格から検証してみよう。

ルーフは、チューナーではなくメーカーだ

 RUF(ルーフ)は、1982年にドイツで自動車製造者としての認可を受けた、小規模ではあるが独立した自動車メーカーだ。したがって彼らの生み出すモデルは、あくまでもルーフ車なのであり、いわゆるポルシェのチューニングカーとは一線を画する存在となる。

●2009 ルーフ「CTR3」

CTR3は完全にRUFのデザインによるもので、オープン化すれば「カレラGT」や「918スパイダー」にも近い、きわめて前衛的なスタイルが採用されている(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
CTR3は完全にRUFのデザインによるもので、オープン化すれば「カレラGT」や「918スパイダー」にも近い、きわめて前衛的なスタイルが採用されている(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 そのルーフの名を一躍世界に轟かせる原動力となったのが、1987年に誕生した「CTR」である。ちなみにCTRとは「カレラ・ツインターボ・ルーフ」の意。

 そのプロトタイプとして製作された、通称「イエローバード」は、南イタリア・ナルドのテストコースにおいて、当時の世界最高速レコードとなる342km/hを達成。この衝撃的なニュースは一瞬にして世界を駆け巡ることになった。

 ルーフはこの世界最速車の栄光を最大のセールスツールに、それから30台のCTRを生産することになった。

 その製法は、まずポルシェから当時の930型「911」のホワイトボディの供給を受け、ここから独自のルーフ車を完成させていくという、きわめてマニアックなものであった。

 イエローバードで採用されていた、冷却用のNACAダクトなど、一部のディテールは生産型のCTRには採用されなかったが、リアバンパー上の放熱用スリットや、コンパクトなサイドミラーなど、機能性を追求した結果のディテールは、量産型CTRのエクステリアでの特徴だった。

 わずかな前傾スタイルは、フロントタイヤの接地荷重を増加させ、ハンドリングをより魅力的なものにするための策。これもまたルーフ流エンジニアリングの基本的な概念だ。

 ルーフはその後、1997年にはCTRシリーズの第2作となる「CTR2」を、993型911ベースで発表。さらに2007年にはシャシからの完全自社設計をおこなった、ミッドシップ・スーパースポーツの「CTR3」を誕生させた。

 そのCTR3が、今回RMサザビーズのロンドン・オークションと、オープン・ロード・オークションに続けて出品された。その生産台数は30台未満であり、非常に珍しい存在であるから、オークションの結果に大きな注目が集まったのは当然といえる、まずはロンドン・オークションでのリザルトから報告することにしよう。

【画像】ポルシェのようでポルシェではないルーフとは?(30枚)

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