なぜ3万円も違う? 北海道・沖縄の新車価格が本州よりも割高な理由
新車を購入する際には、グレードによって「車体本体価格」が設定され、この価格は基本的に日本全国で共通の価格です。しかしなぜか北海道と沖縄では、ほかの地区と比べて2万円から3万円高くなっているといいます。なぜ北海道と沖縄の新車価格は異なっているのでしょうか。
寒さから命を守るため、北海道では寒冷地仕様車が標準に
クルマの新車価格は基本的に全国共通ですが、北海道と沖縄だけは例外的にやや割高な設定となっていることがあります。その理由はどこにあるのでしょうか。
ユーザーが正規ディーラーで新車を購入する際、車両本体価格は基本的に全国一律であり、そこにディーラーオプションの費用や税金などの諸費用、そして値引きなどが加味されて最終的な乗り出し価格が決定するのが一般的です。
しかし、北海道で販売される新車だけは例外的に、車両本体価格そのものが割高となっている場合があります。
こうした「北海道地区価格」は、基本的に寒冷地仕様が標準となっていることを意味しています。
実際に、レクサスのウェブサイトには「北海道地区の価格には寒冷地仕様の価格が別途加算されます」と明記。
車種にもよりますが、概ね数万円程度上乗せとなっています。
北海道は本州に比べて冬の気温が低く、1月の東京の平均気温が5.2度であるのに対し、札幌は氷点下3.6度と9度近くの差があります。
さらに、地域や時間帯によっては、気温が氷点下10度を下回ることも珍しくありません。寒冷地仕様とは、こうした極寒地域に対応した仕様です。
具体的には、ロングライフクーラント(LLC)の濃度を高くすることでLLCの凍結防止をはじめ、ワイパーのモーターや、オルタネーターも強力にものに置き換わっています。
また、車種によってはホワイトアウトなどの猛吹雪でも後続車に存在をアピールするため、リアフォグランプが追加されることもあります。
濃度の高いLLCへと交換する程度であれば、ユーザーが自身でおこなうこともできなくはありません。
しかし、ワイパーのモーターやオルタネーターの交換は現実的にはかなり難しく、新車価格に数万円の上乗せで寒冷地仕様へと変更できるのであれば、コストパフォーマンスは決して悪くないといえるでしょう。
北海道のトヨタ販売店スタッフによると次のように説明しています。
「こまかな仕様に関しては、車種によって異なります。
基本的にはバッテリー容量が大きくなっていることや、ウインドウやミラーが凍らないように伝熱線などのヒーター機能を備えていることが多いです。
また、ワイパー自体も積雪時に耐えられる強度が増したものが採用されています」
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なお、トヨタ「ヤリス」の場合、エントリーグレード「X “Bパッケージ”」の価格は139万5000円ですが北海道では142万4700円と2万9700円ほど上がっています、最上級グレード「HYBRID Z」では2万5300円と、グレードによる装備差で多少異なるようです。
また、カタログでは「沖縄地区は価格が異なります」と表記されています。これについて、沖縄のトヨタ販売店では「船で車両を運ぶので車両の輸送費用が車両価格に上乗せされているから」と説明しています。
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