10年で世界最大規模へ急成長! 中国の電気自動車市場に学ぶ成功の鍵とは
これからの電気自動車市場に重要なもの
中国は、電気自動車の安価な製造を重視したことで、急速に成長することができました。欧州がラグジュアリーな電気自動車を推している一方で、中国では廉価なモデルをつくることに集中してきたのです。その結果、多くの台数を売り上げ、消費者を取り込み、産業を堅実に成長させることができました。 さらに、欧州や米国がミッドサイズの車両に力を入れてきたのに対し、中国はSUVの電気自動車でも先行しています。
いくつかの例外はあるものの、欧州や米国の電気自動車は上位セグメントに集中する傾向があり、JATOのデータからも、中国、欧州、米国で売られている電気自動車の価格には、大きな差があることが分かります。
2019年の補助金等を抜いた平均車両価格は、欧州で58%、米国で52%、それぞれ中国よりも高額でした。
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10年弱で世界最大の電気自動車市場になった中国の歩みは、速く普及させるためには政府による介入が必要であることのよい見本となりました。 国の政策と支援は、電気自動車業界が市場を切り開くためには必須です。特に、消費者への信頼感はインフラ整備と競争的な価格設定に依存する為、国家による介入は電気自動車市場の成功の方程式には不可欠となっています。
中国以外の国に目を向けた場合にも、その事実は明白です。ノルウェーのように電気自動車を普及させるために、1990年代から協調努力を続けてきた国は大きな成果を上げています。対照的に、北米のように軽い規制をおこなってきた国の市場は盛り上がっていません。
中国は自動車産業の発展と改革のために注力しており、2035年までに世界市場の50%を電気自動車にするというボアオ宣言の目標を目指しています。
また、欧州では次の電気自動車ブームが来るといわれており、世界の電気自動車をめぐる覇権争いはますます激しくなることが予想されます。
そして大きな新型コロナウイルス感染の大きな困難に見舞われたにもかかわらず、中国は政府による補助金と介入を強めたことで、欧州での電気自動車市場の拡大を加速しています。
それは、豊富な刺激策と、すでに確立されたブランドが排出規制を達成する目的以上の電気自動車を販売することに乗り気でなかったことが合わさり、 中国企業が一段と力を増す明確な機会となりました。
中国は、歴史あるブランドが欧州の消費者に大きな影響力を持っていることを理解し、中国ブランドをそのまま売ろうとするのでなく、欧米の自動車会社の株を買い占めたり、買収するなどして 中国企業はそのなかに入り込む方策を模索していったのです。
おそらく中国企業が欧州市場で強固な基盤を固めるまでにはまだ時間がかかると思われますが、自国の人材を強化することや、欧米のメーカーと競合できる電気自動車をつくろうとする長期的野心から、それることはないと思われます。
中国企業が自国で成功するに至った法則をまとめると、以下のとおりです。
・廉価な電気自動車に力をいれる
・消費者の選ぶことができるモデルレンジを広くする(SUVも含める)
・欧米企業の車種よりも長い航続距離を実現する
・テクノロジー好きのための車両
・消費者のデータを分析することから生まれるデザイン
・若い消費者へ強く訴求する
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