トヨタ「アルファード」なぜ売れ続ける? 新型投入のオデッセイとエルグランド出揃い勢力図に変化は?
2020年11月の登録車販売台数が公表されました。10月に日産「エルグランド」、11月にホンダ「オデッセイ」がマイナーチェンジして発売され、その以前から販売台数上位に君臨してきたトヨタ「アルファード」との高級ミニバン勢力図に変化はあったのでしょうか。
高級ミニバン勢揃い! 勢力図に変化はあったのでしょうか?
2020年11月期の登録車販売台数が公表され、近年怒涛の売り上げを誇る高級ミニバンのトヨタ「アルファード」が先月の5位から3位にランクアップし、ついにはTOP3の仲間入りです。
一方で、2020年10月に日産「エルグランド」、11月にホンダ「オデッセイ」がマイナーチェンジ。この三つ巴の行方はどうなるのでしょうか。
2020年に入って好調なアルファードは、11月に1万109台を記録。9月から3か月連続で1万台の大台となっています。
好調な要因のひとつとしては、これまでは2020年1月にスマホ連携やディスプレイ変更、バックガイドモニターを全車種標準装備といった快適機能に関する一部改良が販売台数の増加に繋がっているとされていました。
しかし、アルファードの姉妹車である「ヴェルファイア」も、同じタイミングで一部改良が施されていましたが、月日を重ねる毎に両車の差が開いてきたのです。
この差について、トヨタの販売店は「最近ではアルファード自体が憧れの対象となっていて、一般のお客さまから法人のお客さまなど幅広く支持されています」といいます。
ほかの販売店でも同様に「かつての『いつかはクラウン』から最近は『いつかはアルファード』という風に変わってきている印象を受けます」といいます。
一方のオデッセイは、1994年に発売された初代モデルがトヨタ「エスティマ」とともに日本でのミニバンジャンルを確立しました。
現行モデルとなる5代目ではかつて日本で販売されていた「エリシオン」と統合する形で、先代よりも低床化させたほか、歴代オデッセイとして初の両側スライドドアを採用するなど、大幅な進化を遂げて今に至ります。
2017年11月には、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を全タイプで標準装備するとともに、デザインや装備、使い勝手などを向上させたマイナーチェンジを実施。
2020年11月5日に発表された最新のマイナーチェンジでは、デザインや機能面を大幅に刷新。
その結果、10月のランキングTOP50圏外から11月は30位の1720台と大きく販売台数を伸ばす形となりました。
そして、元祖高級ミニバンとえるエルグランドは、1997年に初代モデルがデビュー。
2010年には3代目となり、それまでのFRからFF化され、フロアの低床化と全高が抑えられるとともに、全長は80mm、全幅は35mm拡大。乗り心地とスペース効率が向上しました。
今回、10月のマイナーチェンジでは、グレード整理や今回のマイナーチェンジではフロントグリルの変更など外装を刷新。
日産のVモーショングリルの内部が横基調のバーが並ぶデザインから、細かいドットが並ぶ形状のデザインへ変更され、迫力のある表情となりました。
また安全面は、前方2台前の車両の動きを検知し回避操作が必要な場合に警報で注意を促す「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」や、走行中の後側方から接近するクルマの接触を回避するようにステアリング操作を支援する「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)」などを標準装備。
これらの改良がおこなわれたものの、11月の販売台数は公表されるTOP50にランクインしませんでした。
日産の販売店は、「9月から先行サイトの公開とともに、商談予約を受けていましたが、高価格帯な車種ということもあり、公開前よりは反響があったものの、飛び抜けて販売台数が伸びたということはありません。どちらかといえば、同じミニバンの『セレナ』に関心を寄せる人のほうが多いです」と説明します。
※ ※ ※
日本自動車販売協会連合会が公表する登録車販売台数は、実際には販売された台数ではなく、販売後に車両が登録された台数がカウントされます。
そのため、発売した時期とずれることがあり、決算などの時期的要素によって大きく変動します。
今回の高級ミニバンにおいては、アルファードが毎月のように上位を維持することから、その人気は突発的なものでなく、世間に認められたものだといえます。
一方、オデッセイは今回のマイナーチェンジにより一時的に販売台数を伸ばしたものの、この台数が12月以降も継続出来るかがポイントです。
そして、エルグランドは10月、11月とランキング圏外でしたが、販売店によれば「マイナーチェンジの効果は確実に出ています。エルグランドを見に来店された人で結果的に購入に至らなかった人でも、セレナの購入を検討されており、相乗効果はあります」といいます。
今後もこれらの高級ミニバン達がどのような動向となるのか、気になる部分です。
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