なぜレクサスにステーションワゴンが無い? 欧州ブランドでは定番も30年以上設定しない理由

グローバルで見るとステーションワゴンのシェアは大きくない?

 世界各地の自動車市場では、2000年以降から徐々にSUV(クロスオーバー車含む)の人気が高まっており、最近ではこれまでSUVをラインナップしなかったランボルギーニやベントレー、アストンマーティン、アルファロメオなどもSUVを投入しています。
 
 また、日本や欧州ではAセグメントやBセグメントといった小さなSUVの人気が急激に高まっており、2016年に日本や欧州で販売されたCセグメントSUVのトヨタ「C-HR」は一躍コンパクトSUVで代表的なモデルとなりました。

 さらに最近では、2019年11月には全長4m以下のAセグメントSUVとなるダイハツ「ロッキー」のOEM車トヨタ「ライズ」が発表され、瞬く間に人気SUVとなっています。

 レクサスでもそのSUV人気に対応するために、グローバルにおいて1998年にRX、1996年にLX、2002年にGX、2014年にNX、2018年にUXと次々とSUVラインナップを拡充してきました。

 2020年2月に、レクサスは2019年の世界新車販売実績を発表。総販売台数は過去最高となる76万5330台を記録し、その要因として前年となる2018年に新型モデルとしてESやUXの販売を例に挙げたほか、2019年8月にマイナーチェンジしたRXの販売が大きかったとしています。

2019年8月にマイナーチェンジしたことで商品力が向上した「RX」。日本のみならずグローバルでも人気。
2019年8月にマイナーチェンジしたことで商品力が向上した「RX」。日本のみならずグローバルでも人気。

 世界的なSUV人気は日本も同様で、各国産メーカーがラインナップしていたステーションワゴンは2000年以降に次々と生産終了となり、その代わりに前述のようなSUVが台頭してきました。

 これらの要因からレクサスでは、販売するうえで高い需要が見込めないステーションワゴンをラインナップしないのです。

 では、レクサスにステーションワゴンがラインナップされていないことについて、実際のユーザーからはどのような反響があるのでしょうか。レクサスの販売店スタッフは次のように話します。

「ステーションワゴンを希望するお客さまは、年々少なくなっている印象があります。

 2010年頃は、まだ国産メーカーでもステーションワゴンがいくつかあったので、レクサスでもステーションワゴンを設定してほしいという声はいくつか頂いたのを記憶しています。

 しかし、2020年現在ではSUVの人気が高く、来店されるお客さまの多くはUXやNX、RXに関心を持っており、他社と比較される際もそのほとんどはSUVです」

※ ※ ※

 欧州ブランドでは、定番となるステーションワゴンですが、トヨタが北米市場からスタートしたレクサスでは、その成り立ちやグローバルでの動向を踏まえてステーションワゴンをラインナップしていないようです。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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