いまでは絶滅した貴重なクルマ!? 大排気量国産ステーションワゴン3選
近年、ダウンサイジングターボエンジンの普及で、大排気量の自然吸気エンジンは激減してしまいました。同じく減少してしまったクルマといえば国産ステーションワゴンです。一方、かつてはこのふたつを組み合わせたモデルが存在。そこで、大排気量エンジンを搭載した国産ステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
いまでは絶滅してしまった大排気量国産ステーションワゴンを振り返る
2000年代のはじめ頃、欧州車を中心に広まったダウンサイジングターボエンジンによって、近年は大排気量の自然吸気エンジンは激減してしまいました。また、同じく急激に減少してしまったのが、国産ステーションワゴンです。
近年のSUV人気や、ファミリーカーとして定着したミニバンによって、国内メーカーのラインナップからステーションワゴンが次々と消え、いまでは完全に撤退してしまったメーカーもあります。
しかし、かつてはこのふたつの絶滅危惧種を組み合わせたモデルも存在。そこで、大排気量エンジンを搭載した国産ステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
●スバル「レガシィ アウトバック3.6R」
1989年に発売されたスバル初代「レガシィ」は、ステーションワゴンの「ツーリングワゴン」が大人気となり、後のステーションワゴンブームを起こした立役者です。
その後好調なセールスを続け、1993年に登場した2代目レガシィには、ツーリングワゴンをベースに最低地上高をアップし、SUVテイストな外観を盛り込んだ派生車の「レガシィ グランドワゴン」が登場。
国内ではモデルライフの途中で「レガシィ ランカスター」へ改名されましたが、北米では「アウトバック」の名で発売され、日本でも3代目から「レガシィ アウトバック」の名称となり、いまに至ります。
そして2009年に4代目レガシィ アウトバックが登場。トップグレードの「3.6R」には最高出力260馬力を発揮する3.6リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載していました。
スバルの高性能モデルというとターボエンジンのイメージがありますが、このエンジンはスバルが生産する最大排気量で、国内ではこれまでに4代目レガシィ アウトバックのみに設定されただけです。
レガシィ アウトバック3.6Rの出力特性はマイルドに設定されていましたが、大排気量自然吸気エンジンならではの低回転域から湧き出る太いトルクを生かし、豪快な加速と長距離ドライブでの余裕ある走りを実現。
レガシィ アウトバックのキャラクターにはマッチしていたといえますが、自動車税が高額なことから販売的には苦戦を強いられ、国内仕様では5代目の登場と同時に廃止となってしまいました。
●日産「ステージア」
現在、日産はステーションワゴンの生産から撤退してしまいましたが、かつては大型なモデルから小型のモデルまで、数多くのステーションワゴンをラインナップ。
そのなかでもヒット作となったのが、1996年にステーションワゴン専用モデルとしてデビューした初代「ステージア」です。
初代ステージアは9代目の「R33型スカイライン」と主要なコンポーネンツを共用して開発されたため、スカイラインGT-Rのエンジンやドライブトレインを移植した「ステージア オーテックバージョン260RS」が登場するなど、スポーティ走りが堪能できるステーションワゴンのイメージが定着します。
その後、2001年に、11代目のV35型スカイラインが採用した新FRプラットフォームを共用する2代目となり、よりプレミアムな大型ステーションワゴンへと進化しました。
外観は全体的にやわらかな曲面によって構成されるボディで、大きな車体を有効に使った伸びやかなフォルムが特徴です。
グレード展開はラグジュアリーな「RX」シリーズとスポーティな「RS」シリーズ、クロスオーバーSUVのイメージさせる外観の「AR-X FOUR」を設定。
発売当初は2.5リッターと3リッターのV型6気筒エンジンを搭載し、最高出力280馬力の2.5リッターV型6気筒ターボを搭載する「250t RS FOUR V」が設定されるなど、さまざまなニーズに対応していました。
そして、2003年にはオーテックジャパンから特別仕様車の「アクシス350S」が登場。280馬力を誇る3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載し、6速MTが組み合わされるなど、260RSを彷彿とさせるスペックです。
しかし、2代目ステージアの登場後はステーションワゴン人気の低下もあって販売が低迷したため、2007年に生産を終了。後継車はありませんでした。
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