眩しくても強制点灯!? 薄暮時に早めのライト点灯を義務化する理由
どれくらい暗くなったらヘッドライトが点灯する?
日本で義務化されたオートライト機能は、「周囲の照度が1000ルクス未満になると、2秒以内に点灯」という基準があります。
この1000ルクスというのは、薄暗くなる手前くらいの明るさで、周囲のクルマもはっきり認識できるけれど、前走車のブレーキランプや信号が目立ちはじめた程度で、感覚的にはかなり早めの点灯という印象を受けます。
この1000ルクス未満という基準ですが、じつは車内から周囲の状況を認識する以上に、歩行者から見た場合のクルマの存在が認識しにくくなる明るさといわれています。
薄暗くなることでクルマと周囲の建物などが同化しはじめ、距離感や速度感を感じにくくなるのだそうです。
また「周囲の照度が7000ルクス以上になると、5秒から300秒以内に消灯」という機能も付いていますので、トンネルなどで自動点灯したヘッドライトも通過後5秒程度で自動消灯してくれるということです。
そして日本独自の保安基準となっているのが「走行中の手動によるオン/オフ機能はなし」(ただし駐停車状態の場合は消灯可能)です。
周囲が一定の暗さになると、自動で消灯したあと、走行が終わるまでは消灯できないという仕様になっています。
これは道路交通法でも明記されている「ヘッドライト点灯は日没から日の出まで」に準じた設定として、明るさが法整備(義務化)によって数値化されたということです。
オートライト機能のメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。
なによりヘッドライトの点け忘れがなくなるので、夜間など周囲が暗い状況での安全性が高まるのは確実です。
たとえば、大型の商業施設などの立体式駐車場は照明も明るく、未点灯のまま走行してしまうこともありましたが、そのようなうっかりミスがなくなります。
またトンネルや悪天候での走行は、その距離や時間帯によってヘッドライトをつけるか迷うところでしたが、今後は自動で点灯してくれますので非常に助かる機能だといえます。
今回の義務化クルマのドライバー以上に恩恵がありそうなのが歩行者です。
1000ルクス未満の明るさになると、ヘッドライトがついていないクルマの存在は気づいても、距離や速度感が掴みにくいため、早期のヘッドライト点灯で距離感や速度感も把握しやすくなり、飛び出しや無理な横断などが減ることも期待されています。
今回の義務化は、「2020年4月以降の新型車」となっており、現状ではすべてのクルマに義務化されたわけではありません。
オートライト機能がついていないクルマはどうすべきでしょうか。
その場合、1000ルクス未満になる前にヘッドライト点灯を心がけるということに尽きます。感覚的には日没30分前より早くてもいいかもしれません。
とくに交通事故が多発するといわれる17時から18時にはヘッドライトを点灯させましょう。
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点灯するのを忘れそうな人や、自分のクルマにオートライト機能を搭載したい人はオートライト機能の後付けキットが販売されています。
メーカーによって、通常タイプと車速連動タイプがあり、車速連動タイプには信号待ちなどで一時停車中にヘッドライトを消灯する機能を盛り込んでいます。
後付けキットの装着手順としてはハンドル下のコラムカバーを外し、純正ライトスイッチからヘッドライトに伸びている配線にキットをつなぎ、本体の電源を同じように常時電源から分けてもらう配線処理が必要になります。
自分でヒューズなどを交換した経験がある人であればDIYでもできますが、自信がない人はショップに頼んだほうが楽かもしれません。
後付けキット本体の価格は5000円前後。取り付け作業費込みで1万円もしない金額でオートライト機能を装着できます。
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