まさに高性能車ならではのアイテム! 迫力あるオーバーフェンダー車3選
高性能車といえば外観からも速そうな印象ですが、それを演出するのがエアロパーツです。なかでも迫力あるフォルムを実現するアイテムがオーバーフェンダーで、幅の広いタイヤを装着することを目的に装着されるため、高性能なクルマの証といえます。そこで、往年のオーバーフェンダー車を3車種ピックアップして紹介します。
懐かしのオーバーフェンダー車を振り返る
スポーツカーに代表される高性能車というと見た目にも速そうな印象ですが、そんな高性能さをアピールするアイテムとして挙げられるのがエアロパーツです。
フロントスポイラーやリアウイングなどのエアロパーツはレースの世界で誕生し、空力特性の向上に使われますが、1970年代にはドレスアップアイテムとしても人気となりました。
なかでも、幅の広いタイヤを装着することを目的としたオーバーフェンダーは、迫力ある外観を演出することで、高性能車の証といえます。
そこで、往年のオーバーフェンダー車を、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイラインGT-R」
日産は1969年に、市販車をベースとしたマシンで戦われるツーリングカーレースで勝つことを目的に、3代目「スカイライン」をベースとした高性能モデルの初代「スカイラインGT-R」を発売。
当初は4ドアセダンとしてデビューし、量産車では世界初の2リッター直列6気筒4バルブDOHCエンジンを搭載し、最高出力は160馬力を発揮しました。
その後、1970年には2ドアハードトップをベースにしたボディにスイッチし、レースでも連戦連勝を記録。ボディにはリアフェンダーにオーバーフェンダーが装着されるなど、まさに高性能さをアピールします。
そして、1973年には4代目スカイライン(通称:ケンメリ)をベースにしたスカイラインGT-Rが登場。
スタンダードモデルとは異なる意匠のメッシュグリルに「GT-R」のエンブレムが装着され、リアスポイラーと4輪にリベット留めのオーバーフェンダーを採用するなど、迫力あるフォルムを実現しました。
エンジンのスペックは初代と同様ですが、4輪ディスクブレーキが搭載されるなど、レースベース車としてのポテンシャルが高められています。
しかし、当時はオイルショックや排出ガス規制の強化もあり、2代目スカイラインGT-Rはレースに出場することなく、発売からわずか3か月ほどで生産を終了。生産台数は197台といわれ、いまでは希少価値から、数千万円で取引されるほどです。
また、1970年代初頭は交通事故による死亡者数が急激に増加し、運輸省(現在の国土交通省)は高性能モデルの発売に難色を示したことから、オーバーフェンダーなどのエアロパーツは認可しない姿勢へと転換。
そのため、日産だけでなく、トヨタや三菱も採用したリベット留めのオーバーフェンダーは、姿を消すことになりました。
●三菱「スタリオンGSR-VR」
三菱は欧米のスポーツカー市場へ参入することを目的に、「ギャランラムダ」に替わるモデルとして1982年に「スタリオン」を発売。
3ドアハッチバッククーペのボディは直線基調ながらスポーツカーらしいウエッジシェイプ(クサビ型)のフォルムを採用。斬新かつスタイリッシュで、ハイパワーなエンジンを搭載したことから、とくに北米で人気となり、当時はポルシェ「924ターボ」のライバルと評されたほどです。
発売当初に搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒SOHCのターボと自然吸気で、ターボモデルでは最高出力145馬力を発揮。
ライバル各社とのパワー競争により、1983年には同エンジンにインタークーラーが装着され、175馬力にパワーアップし、さらに、1984年には最高出力200馬力まで向上した「GSR-V」が登場しました。
そして、1987年には輸出用のブリスターフェンダーボディにGSR-Vと同じ2リッターエンジンを搭載した限定車「GSR-VR」を発売し、1988年には、これに175馬力(ネット)の2.6リッターターボエンジンを搭載したカタログモデルのGSR-VRを発売。
基本的なデザインは発売当初から変わっていないものの、大きく張り出した前後フェンダーによって迫力あるフォルムを実現しており、全幅はわずか50mmの拡幅ですが数字以上の効果がありました。
同時期にデビューした3代目スカイラインGT-Rや、トヨタ「スープラ」などには、性能的に大きく劣っていましたが、個性という面では負けていませんでした。
その後、1990年に新世代のスポーツカーである「GTO」のデビューとともに、スタリオンは生産を終了。当時としては8年という異例のロングセラーモデルだったといえます。
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