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「スーパーアメリカ」では、限定モデルという神通力は通用するのか!?

 もう一方のオープンモデルは、シフト・モントレーに出品された2005年にフェラーリが限定車として発表した「スーパーアメリカ」だ。

 すでにこの年、ベースとなる12気筒FRの575Mマラネロの生産が中止されることは決定されており、オープン仕様のスーパーアメリカは、そのラストを飾るアニバーサリーモデルとしての役も果たしていた。

●2005 フェラーリ「スーパーアメリカ」

走行距離がわずか8700kmのフェラーリ「スーパーアメリカ」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
走行距離がわずか8700kmのフェラーリ「スーパーアメリカ」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 スーパーアメリカというサブネームが表しているとおり、これはオープンモデルに圧倒的な人気があるアメリカ市場を意識して製作されたものである。

 ロサンゼルス・ショーでの発表時から世界限定599台とアナウンスされていたが、もちろんアメリカ外の諸国にもスーパーアメリカは少数が割り当てられ、日本にも20台が上陸している。

 スーパーアメリカの特長は、やはりそのルーフの開閉方法だろう。リアガラスと同時に作動するルーフが沈み込みながら、ルーフがリアデッキ上に収まるメカニズムは、かつてピニンファリーナに在職したレオナルド・フィオラバンティが持つ特許技術である。

 それまでの550バルケッタが、手動による簡易な幌のようなルーフしか持たなかったことを考えると、これは大きな進化といえそうだ。

 搭載するエンジンもさらにチューニングされている。実際には575Mから25psパワーアップされ、オープンエアの快適さのみならず、フェラーリの12気筒GTの魅力を存分に味わえるモデルに仕上がっている。

 ミッションを6速MTと6速DCTの2種類から選択できたのもカスタマーには大きな魅力だっただろう。

 今回出品されたスーパーアメリカは、走行距離が新車からたったの8700km。オプションのフィオラノ・ハンドリング・パッケージも装備されており、フェラーリ・クラシケの認定はもちろん取得済みだ。

 オンライン・オークションという事情はあったものの、エスティメートの24万−26万ドルに対して、落札価格は23万5000ドル(邦貨換算約2500万円)であった。フェラーリの限定車もずいぶん買い求めやすくなってきたという印象が強い。

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