トヨタ車種統合スタート!? 「ルーミー1本化」で女性層からの反響続々のワケ
トヨタの車種統合第一弾となった、コンパクトカー「タンク」の「ルーミー」への統合ですが、一本化後のユーザーの反応はどうなっているのでしょうか。
一本化で「わかりやすくなった」と好評?
2020年9月15日、トヨタのコンパクトワゴン「ルーミー」がマイナーチェンジ。同時に兄弟車である「タンク」がホームページから姿を消しました。
外観デザインはルーミーのグレードの一部として残されているものの、その名前はメーカーの公式ホームページからも削除されています。タンクは、ルーミー同等の人気を誇るコンパクトカーだっただけに、廃止されたことでユーザーからはどんな反応があったのでしょうか。
2016年に登場したルーミーとタンクは、ダイハツ「トール」のOEM車として販売開始。コンパクトワゴンながら広々とした空間の「Living」と余裕の走りの「Driving」を掛け合わせた「1LD-CAR(ワン・エル・ディー・カー)」というコンセプトで、居住性の高い室内と1リッターエンジンによるキビキビとした走りが人気を博しました。
2020年上半期(1月から6月)では、8位ルーミー(3万7622台)、14位タンク(2万8458台)となり、売れ行きは好調を維持しています。
しかし、タンク廃止の話が噂され始めた2020年8月では、7位ルーミー(5617台)、17位タンク(2792台)と大きく差が開いていました。
さらに、最新の9月では7位ルーミー(8084台)で、タンクは公表上位50位に名前が無い圏外となっています。
直近の販売動向について、首都圏のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「8月の中頃以降、タンクの受注はストップしていました。そのため、近隣店舗含めて9月の登録は数台ほどだったと思います。
一方のルーミーは、変わらず好調でしたので、タンクを検討していたお客さまも含めてルーミーに集約されたことで、ルーミーの台数が伸びています」
今回のトヨタブランドの車種統合がおこなわれたのは、全国の全販売店での全車種併売化が影響しています。
トヨタには、今回統合されたルーミーとタンク以外にも、5ナンバーミニバンの3兄弟である「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」や、3ナンバーミニバン兄弟の「アルファード/ヴェルファイア」、セダンの「プレミオ/アリオン」、コンパクトカーの「ポルテ/スペイド」が存在。
これらは、従来の販売チャネル(トヨタ店/トヨペット店/カローラ店/ネッツ店)ごとに名前を変えて販売されていましたが、今後はひとつの車種にまとめられると予想されています。
これまで、ルーミーはトヨタ店とカローラ店、タンクがトヨペット店とネッツ店という販売チャネルごとに取り扱いが分かれていましたが、2020年5月に前述の併売化が開始されたことで、兄弟関係にある車種で販売台数に偏りが出ていました。
そして、車種統合の第一弾となったタンクが廃止されたのです。前出のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「ルーミーに1本化されて1か月近く経ちましたが、予想以上に問い合わせがありました。そして、その多くは女性でした。恐らく、ルーミー/タンクのメインターゲットだったからだと思います。
内容的には、『いきなり無くなって驚いた』『もう購入できないのか』といったものがほとんどです。
そして、デザインを残したままルーミーに統合されたことを伝えると、皆様ホッとされただけでなく、『ひとつになってわかりやすくなった』と仰って頂いた人もいました。
売れ行き的には大きな変化はありませんでしたが、クルマにあまり詳しくない主婦層からルーミーが再注目されていると感じます。今ではなく今後の購入に向け、『名前だけでも覚えて』頂ければと思います」
※ ※ ※
ルーミーとタンクのターゲットであるファミリー層、とくに主婦層はいわゆる「クルマ好き」と呼ばれるような、クルマの知識に精通した層ではありません。
そのため、テレビCMやニュースなどによっての情報拡散によって、ルーミーの車名が広まったことは、今後の販売に少なからず影響するでしょう。
「販売側の都合では」という批判的な意見もあった車種統合第一弾は、結果的にユーザーからの高評価につながったことから、まずまずの成功といえるのではないでしょうか。
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