アウディ「e-tronスポーツバック」上陸! プレミアムEVの静粛性を日本の道で味わった
アウディとしては日本市場初導入となる電気自動車「e-tron Sportback(eトロン スポーツバック)」。9月17日に日本上陸を果たしたが、さっそくこのモデルを試乗する機会に恵まれた。全長は4900mm、車両価格が1300万円超というプレミアムSUVだが、実際に乗ってみてどうだったのか。
Cd値はなんと0.25! フル充電で405km走行可能なピュアEV
アウディから本格的な電気自動車「e-tron Sportback(eトロン スポーツバック)」が日本でも発売になった。
欧州では2019年3月に発表、発売が開始され、ワールドワイドでは2019年にすでに2万7000台を販売、2020年1月から6月は1万7700台が売れている。
日本での価格は1327万円(バーチャルエクステリアミラー仕様は1346万円)という高級車にも関わらず、これだけの数が売れているということは、立ち上がりの販売台数としては上出来だろう。ちなみに、税制によってEVが優遇されているノルウェーの2020年上半期の販売実績ではe-tronスポーツバックがトップになったという。
e-tronスポーツバックは、レンジエクステンダー(発電機用のエンジン)を搭載しない電気自動車、つまりBEV(バッテリーEV)である。駆動用のモーターは前後にある。つまりクワトロ(4WD)だ。リチウムイオンバッテリーの容量は95kWhとたっぷり。一般家庭の約1週間分の電気を貯められる。これでWLTCモード燃費で405km走ることができる。
2個のモーターを合わせた出力は通常時265kW、ブーストモード時は300kWを発揮する。最大トルクは561Nmだが、ブーストモード時は664Nmに上がる。走行中低負荷のときには後輪駆動だけになる。そのときの最大出力は165kWになり、航続距離を伸ばすことに貢献する。
後輪駆動から4輪駆動への切り替えも含めた前後アクスルのトルク配分は、わずか30ミリ秒という瞬時におこなうことができる。これもクワトロドライブシステムに40年の歴史を持つアウディならではの技術だという。
充電は、AC200V(8kW)かCHAdeMO(チャデモ。50kW)が可能。充電口はフロントフェンダーにあり、右側は200V、左側はCHAdeMOでそれぞれ専用になっている。充電口のフタのすぐ上にある黒い部分を押すことで開閉する。
それでは早速、アウディ「e-tronスポーツバック 55 quattro 1st edition」に試乗しよう。
全長4900mm×全幅1935mm×全高1615mm、ホイールベースは2930mmというサイズは、クルマに近づくと大きく感じる。
エクステリアデザインはすぐにアウディとわかる。オクタゴン(八角形)のシングルフレームグリルであったり、ヘッドライトの形状、全体に角を落として丸味のある感じなどがアウディらしい。クーペスタイルだが、リアはハッチバックになっていて、スポーツバックという名前に合っている。
フロントグリルの開口部が一部に限定されているところはEVらしいところだろう。水平基調のDRL(デイタイムランニングライト)もe-tron特有のデザインになっている。ドアの下部には黒の帯が入っているが、これはバッテリーを強調しているらしい。左右のLEDテールランプをつなぐ赤いライトストリップが入り、流行に遅れていない。
バーチャルエクステリアミラーは、外のカメラで撮ったものを室内のモニターに映し出す、ドアミラーが進化したものだ。
モニターにOLEDを使うことは映像のレスポンスを早くすることができるから、ミラーの代用とするモニターには有効である。ただしこのモニターの位置が少し低い。つい普段のクセが出て、見てしまうところは外のカメラだったりする。横方向の動きはさほど問題なくできるが、ミラーを見るために視線を下に向けるのは難しい。
ただしこのミラーの角度調整の仕方は簡単でやりやすい。画面にタッチしながら上下左右に動かすことができるからだ。助手席側のミラー位置もドライバー側のモニターでできる。ちょっと残念なのは、そのとき押すドアミラーの形をしたピクトグラムが、左ハンドルの助手用の絵だったことだ。
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