かわいくてカッコイイ!? 消えたコンパクトクーペ3選

1980年代から1990年代にかけて若者が乗るクルマといえば、2BOXのハッチバックかクーペというのが定番でした。しかし現在、安価なクーペは絶滅寸前の状況です。そこで、懐かしのコンパクトクーペを、3車種ピックアップして紹介します。

いまでは超希少種のコンパクトクーペを振り返る

 現在、国内の自動車市場では軽自動車やコンパクトカー、SUV、ミニバンが定番の人気車種ですが、かつては3ドアハッチバックの2BOX車や、2ドア/3ドアクーペが売れていた時代があります。

かつて隆盛を誇っていたコンパクトクーペたち
かつて隆盛を誇っていたコンパクトクーペたち

 なかでも、1980年代から1990年代には、若者が乗るクルマとしてクーペの人気が高く、各メーカーから数多く販売されていました。

 しかし、現在は比較的安価なクーペは絶滅寸前の状況です。そこで、かつて販売されていたコンパクトクーペを、3車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「ファミリアNEO」

斬新なデザインが日本では受け入れられなかった「ファミリアNEO」
斬新なデザインが日本では受け入れられなかった「ファミリアNEO」

 1963年に発売されたマツダ初代「ファミリア」は、日産「サニー」やトヨタ「カローラ」に先駆けて登場した大衆車です。

 その後、マツダの主力車種として代を重ねるごとにコンセプトの変化を繰り返し、1980年代の終わりにはスポーティ路線に転換していきました。

 そして、1994年に発売された8代目ファミリアではさらに方向転換され、高性能モデルは設定されませんでしたが、スタンダードなファミリアとはまったく異なるデザインの3ドアハッチバッククーペ「ファミリアNEO」をラインナップ。

 ルーフラインを高くしたことでクーペながら広い室内空間を実現しており、ボンネットからルーフ、トランクまで流れるようなラインを描くフォルムもスタイリッシュでした。

 しかし、ファミリアNEOのスタイルは海外で高く評価されましたが、国内販売は低迷。

 1.8リッターと1.5リッターの平凡な直列4気筒エンジンしか設定されず、それまでの高性能なファミリアというイメージにマッチしていなかったことも影響したようです。

 結果、1996年にファミリアNEOは国内販売を終了。発売からわずか2年ほどで消滅してしまったため、いまではかなりのレアモデルです。

●ホンダ「バラードスポーツCR-X」

FFスポーツカーとして「シビック」と人気を二分した「バラードスポーツCR-X」
FFスポーツカーとして「シビック」と人気を二分した「バラードスポーツCR-X」

 ホンダを世界的な4輪自動車メーカーに引き上げた「シビック」は、1979年に2代目へとフルモデルチェンジしました。

 同時期にスポーティなモデルやラグジュアリーモデルを販売する新たな販売チャネルとして「ベルノ店」を展開。

 そのベルノ店から1980年にシビックの姉妹車として、4ドアセダンの「バラード」を発売します。

 そして、1983年にシビック、バラードのフルモデルチェンジに先駆け、派生車の「バラードスポーツCR-X」がデビュー。

 セミリトラクタブルライトのフロントフェイスと、シビックよりも180mmも短いホイールベースにより、コンパクトで洗練されたデザインの3ドアハッチバッククーペとなっています。

 トップグレードの「1.5i」に搭載されたエンジンは110馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒で、SOHCながら高回転域まで気持ちよく吹け、800kg(5速MT)と軽量な車体と相まって軽快な走りで人気となりました。

 また、優れたコーナリング性能だけでなく、軽量な車体の恩恵から低燃費も実現。

 1987年には2代目が登場し、車名は「CR-X」に改められ、160馬力を誇る1.6リッターVTECエンジンを搭載するなど、FFスポーツカーとしてのポテンシャルが一気に高まります。

 1992年にはオープン2シーターに生まれ変わった「CR-X デルソル」が登場。しかし、販売は低迷したため、この代をもって、CR-Xは消滅してしまいました。

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