かわいくてカッコイイ!? 消えたコンパクトクーペ3選
アメリカでは人気、日本ではイマイチ!?
●日産「NXクーペ」
日産は1966年に、大衆車の初代「ダットサン サニー」を発売。マイカー時代の到来によってヒット作となり、その後も日産のエントリーモデルとして重責を担います。
ボディタイプは、初代が2ドアセダンのみでデビューして4ドアセダンが加わり、2ドアクーペ、3ドアハッチバック、3ドアハッチバッククーペ、ステーションワゴン、ライトバンと、代を重ねるごとにラインナップを拡充。
そして、1990年には7代目サニーをベースにした3ドアハッチバッククーペの派生車「NXクーペ」が発売されます。
NXクーペは6代目サニーのクーペモデルだった「RZ-1」のシャープなイメージから一転して丸みをおびたデザインとされ、主に北米市場の「知的で流行に敏感な女性」をターゲットに開発されました。
デザインは、カリフォルニアの「日産デザインインターナショナル」が手がけ、当時人気だった4代目「Z32型 フェアレディZ」のエッセンスも採用しています。
さらに、センター部分を残してルーフを取り外せる「Tバールーフ」もフェアレディZと同様に設定。
エンジンは1.5リッター、1.6リッター、1.8リッターの直列4気筒DOHCを搭載。トランスミッションは、4速ATと5速MTが選べました。
アメリカでは日産の目論見どおり「セクレタリーカー(秘書が乗るクルマ=働く女性を対象)」としてヒットを記録。
しかし、日本ではクーペモデルというと、「シルビア」や「180SX」に代表される高性能モデルが人気で、NXクーペの販売は成功していたといえず、1994年に、一代限りで生産終了となりました。
※ ※ ※
コンパクトクーペというと基本的に2ドアなのが一般的ですが、ミニバンでもスライドドアでないと売れない時代とあって、利便性の点で復活は難しいでしょう。
トヨタから久しぶりに2ドア(3ドアハッチバック)コンパクトカーの「GRヤリス」が登場しましたが、あまりにも特殊なモデルのため、他メーカーが追従することはありません。
今後、2ドアのモデルは趣味で乗るようなスポーツカーやラグジュアリークーペのみとなってしまいそうです。