「セナ」で上野クリニック号が蘇る!! マクラーレン純正ラッピングカーとは?

マクラーレン本社が本気で手掛けた往年のラッピングとは?

 前書きが長くなってしまったが、本題はここからだ。なぜならF1 GTRというモデルの存在を知らないと、ここから先、「GTR LM」の話は進まないからである。

ゼッケン59(上野クリニック号)、ゼッケン51(ハロッズ号)、ゼッケン24(ガルフ号)、ゼッケン50(シャカディ号)、ゼッケン42(セザール号)の5台のカラーリングが蘇った
ゼッケン59(上野クリニック号)、ゼッケン51(ハロッズ号)、ゼッケン24(ガルフ号)、ゼッケン50(シャカディ号)、ゼッケン42(セザール号)の5台のカラーリングが蘇った

 マクラーレンのスペシャルモデル製作部門、MSO=スペシャル・ヴィークル・オペレーションズが、何と希望するカスタマーのマクラーレン「セナ」を、1995年当時のカラーリングそのものにラッピングカーとして仕上げてくれるのだという。

 世界からチョイスされるカスタマーの数はもちろん1995年のル・マン24時間でリザルトを残したF1 GTRと同じ5台のみ。製作には1台あたり800時間以上の時間を必要とするというから驚く。

 もちろんMSOの仕事はラッピングだけではない。それを忠実に再現するためには、スポンサー各社との交渉も必要になるし、さらにはル・マン24時間レースを主催するACOによる車検ステッカーなど、さまざまな本物の素材を手に入れるための作業も待ち受けている。

 メカニズムもセナからさらにアップグレードされる。エンジンは4リッターV型8気筒ツインターボエンジンのままだが、最高出力&最大トルクは845ps & 800Nmにアップ。インテリアでは、ゴールドのシフトパドルやコントロールボタンを備える、特注のLMステアリングホイール、チタニウムのペダル類、GTR LMのロゴを刺繍したハーネスパッドとヘッドレストなどが見られる。

 そしてもっとも大切なのが、この限定車の存在意義を表すプラークだ。1995年のF1 GTRのどのモデルと対になっているのかを示す「ツイン」の証明プラークがキャビンに備えられ、各車にはそれぞれのシャシナンバーも、このプラークに刻まれる予定となっているという。

 最後に5台のGTR LMとF1 GTRの組み合わせを紹介しておこう。

・ゼッケン59(上野クリニック号):1995年ル・マン24時間優勝車、セナGTR LM 825/1、F1/01R
・ゼッケン51(ハロッズ号):同3位、セナGTR LM 825/6、F1/06R
・ゼッケン24(ガルフ号):同4位、セナGTR LM 825/2、F1/02R
・ゼッケン50(シャカディ号):同5位、セナGTR LM 825/7、F1/07R
・ゼッケン42(セザール号):同13位、セナGTR LM 825/5、F1/05R

 以上が各車のツイン=ペアリングになる。

 この5台のGTR LMは本来ならば、2020年のル・マン24時間レースで全車が揃ってデモ走行するはずだったのだが、新型コロナウイルス感染予防の影響で、その予定は来年までキャンセルされてしまった。マクラーレンのDNAをその場で見ることができるチャンス。来年のル・マンを待ちたい。

【画像】上野クリニックからハロッズ、ガルフ仕様の「セナGTR LM」を見比べる!(41枚)

【2024年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2 3

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー