爆売れするために作られた? トヨタ「ライズ」は良いとこをギュッと凝縮したSUV?

性能では新型ヤリスクロスが上? でもライズが良いワケ

 ライズの後に登場したヤリスクロスは、サイズや価格帯がライズと競合します。同じトヨタのSUVということもあり、実際の販売店では比較検討するユーザーも少なくないといいます。

 ライズは、1リッターのガソリン車を設定、ヤリスクロスは、1.5リッターのガソリン車とハイブリッド車をラインナップしているというパワートレイン面では大きく異なります。

 ライズが人気の理由は、前述のように徹底的なユーザーの動向調査の賜物です。しかし、ヤリスクロスは、後から出てきたモデルということもあり、とくに燃費性能や先進安全機能などで、優れている部分もあります。

 同じガソリン車の燃費性能においては、ライズ(4WD)の17.4km/Lに対して、ヤリスクロス(4WD)では17.4km/L-18.5km/Lと同等もしくは若干上回ります。

ついにヤリスクロスが登場! ライズの販売に影響はある?
ついにヤリスクロスが登場! ライズの販売に影響はある?

 また、安全性能においても基本的な安全面では同等ですが、衝突被害軽減ブレーキでライズは「衝突被警報機能(対車両・対歩行者)/衝突回避支援ブレーキ機能(対車両・対歩行者)」を採用。

 一方のヤリスクロスは、「プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼]検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)」と、ヤリスクロスの方が検知範囲が広くなっています。

 これらの性能差について、どのような反応があるのでしょうか。前出とは別の販売店スタッフは次のように話します。

「ライズはダイハツ製、ヤリスクロスはトヨタ製ということで、細かな部分で違いがあります。とくに、最近のトヨタ車は以前にも増して燃費や安全において性能革新を図っていますので、そのあたりを気にされるお客さまは、ヤリスクロスを選ばれます。

 ただし、ライズがすごく劣っているということはなく、あくまでもお客さまの考え方による部分が大きいです。

 それでもライズを選ばれるのは、やはり丁度良い価格帯やサイズといった部分が重要視されるのかもしれません」

※ ※ ※

 これまでの新車市場は、トヨタ「プリウス」や「アクア」、日産「ノート」といったハイブリッド車が設定されるモデルが人気でした。

 また、昨今の販売上位となるヤリスやトヨタ「カローラ」、ホンダ「フィット」などもハイブリッド車を設定しているなかで、唯一のガソリン車のみを設定するライズはまさに異色の存在といえます。

 それでも、売れ続けるのには、日本人が重要視する「ちょうど良さ」を上手く捉えたのかもしれません。

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