レオ様お買い上げ! ボンドカーを2台デザインした男が作ったフィスカー「カルマ」とは?
納車1号車はレオナルド・ディカプリオのもとへ
パフォーマンスデータも、実に魅力的なものだった。ホイールベースは3160mm、ボディサイズは全長4998×全幅2133×全高1330mmという大柄なカルマは、ドライウエイトでも2404kgという重量級のモデルであるにも関わらず、0−60マイル加速は6.3秒、そして最高速は125mph(200km/h)を実現していたのだ。
前後のホイールは22インチ径で、その内側にはブレンボ製のブレーキシステムが備わっている。このブレーキには、もちろんエネルギー回生機能が与えられている。
●2011 フィスカー「カルマEV」
装備の充実ぶりも、カルマのカスタマーには嬉しいところだった。ルーフのソーラーバッテリーからは、室内装備へと電力を供給する仕組みだが、これだけでも年間200マイル程度の航続距離をプラスすることが可能だと当時フィスカーはアナウンスしていた。
ちなみにカルマのフル充電に必要な時間は、220V電源からならば約6時間。その実用性や機能性に不満を唱えるカスタマーは少なかった。
2011年にセールスを開始したフィスカー・カルマ。そのファースト・カスタマーとなったのは、俳優のレオナルド・ディカプリオである。流麗でクラシカルなデザインとPHEVであるという先進性を融合したカルマは、実用的な4ドアであったため、意識の高いセレブの間で注目を集めることとなる。
以後経営破綻するまでに、およそ2450台が生産されたとされるカルマだが(2016年にカルマ・オートモーティブ社として再建され、カルマの生産も再開されている)、それがオークション・シーンに登場することはきわめて稀なことだ。
エコロジー、エコノミー志向の強いPHEVやBEVのカスタマーは、長期間それを所有することを前提にしているからだ。
今回ボナムス1793の、ザ・ボンモント・セールに出品されたカルマは、スイスで登録された2011年モデル。走行距離はわずかに3100kmのワンオーナーカーと、カルマを手に入れるには最高の条件が揃っている。
参考までにボナムス1793の予想落札価格は、5万−7万スイスフラン(邦貨換算約580万円−820万円)。希少な高性能PHEVではあるが、A123システムズ製のリチウムイオン電池のリコールの記憶を拭い去ることはできず、流札となった。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。