レオ様お買い上げ! ボンドカーを2台デザインした男が作ったフィスカー「カルマ」とは?

ボンドカーであるBMW「Z8」にアストンマーティン「DBS」をデザインしたヘンリック・フィスカーが手掛けたPHEVモデル「カルマ」とは、一体どのようなクルマだったのだろうか。

BMW「Z8」やアストンマーティン「DB9」をデザインしたフィスカー作

 アメリカのプラグインハイブリッド=PHEVベンチャー、フィスカーが経営破綻したのは2013年のことだった。

 現在でもその活動が復活するという夢を抱くカスタマーは多いが、そのもっとも大きな理由は、かつてBMWなどで手腕を奮ったヘンリック・フィスカーの大胆にして独創的なデザインが高く評価されているからだろう。

デビュー当時は1000万円ほどの価格と卓越したデザインで、世界中のセレブの注目を集めたフィスカー「カルマ」(C)Bonhams 2001-2020
デビュー当時は1000万円ほどの価格と卓越したデザインで、世界中のセレブの注目を集めたフィスカー「カルマ」(C)Bonhams 2001-2020

 もし現代にフィスカーが復活するとしたら、あるいはそのプロダクトはPHEVではなくBEVだろうか。かつて生産されたカルマのドライブトレイン・コンセプトは、「EVer」=エレクトリック・ヴィークル・エクステンデッド・レンジと呼ばれるもので、これは駆動力をエレクトリックモーターで得る一方、必要時には同時に搭載されるレンジ・エクステンダーとして搭載されるガソリンエンジンでバッテリー充電をおこなうというものだった。

 カルマのガソリンエンジンは、駆動力を生み出すことはなく、単純にジェネレーター=発電機としての機能を持つのみ。カルマのそれはGM製の2リッター直列4気筒ターボエンジンが、その役割を担っていた。

「カルマ」の後輪に駆動力を生み出すために、フィスカーには2基のエレクトリックモーターが搭載されていた。最高出力はトータルで408ps。リチウムイオン・バッテリーはA123システムズ製で、容量は20.1kWh。このA123システムズの経営危機もまた、フィスカーがカルマの生産中止の直接的な理由となった。

 カルマの走行モードは2タイプだ。ひとつは「ステルスモード」と呼ばれるもので、これは走行可能距離が50マイル(80km)とされる、エンジンによる発電をおこなわない完全ゼロエミッションのEV走行モードである。

 もうひとつは「スポーツモード」で、こちらはエンジンによる発電をおこない、走行可能距離を一気に300マイル(約483km)にまで延長できる。

【画像】レオ様も買った、鳴り物入りで登場したフィスカーとは?(11枚)

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