ヤリスクロスは売る予定では無かった!? 豊田社長が登場したラインオフ式での秘話とは
2020年8月31日に発売されたトヨタのコンパクトSUV「ヤリスクロス」。生産拠点は、同社の豊田社長の強い想いから設立されたトヨタ自動車東日本・宮城大衡工場です。今回、ヤリスクロスのラインオフ式がおこなわれましたが、そこで豊田社長はヤリスクロスに関する驚きの秘話を明かしてくれました。
話題沸騰のヤリスクロス。日本発売は豊田社長の一言で決まった!?
モリゾウこと豊田章男社長は「ガソリン臭くて、燃費が悪くて、音がいっぱい出る……そんな野性味あふれたクルマが好き」と語るカーガイですが、普段メインで乗っているクルマは、「ヤリス」なのです。
実はインスタグラムのルーキーレーシングのドライバー紹介の動画のなかで、モリゾウ選手は「好きな食べ物はオムライス、好きなクルマはLFA、そして普段乗っているクルマはヤリス」と語っています。
筆者(山本シンヤ)の「なぜ、ヤリスなのか?」という疑問に、社長はこう答えてくれました。
「私のなかで『もっといいクルマ』をつくる基準はコンパクトカーあると思っています。
小さい、お求めやすい、だからといって乗る人にチープな想いをさせるようではダメで、むしろ誇らしく乗れるクルマであるべき。
そんな相反することを実現しなければいけないのがコンパクトカー。だからこそ、一番クルマづくりの実力が求められるということだと思っています」
2020年2月に発売されたヤリス、そして9月に発売されたGRヤリスに続き、ヤリスファミリーの重要なモデルとなる1台が、コンパクトクロスオーバーSUVの「ヤリスクロス」です。
このモデルは「やりたいことは全部やろう」を合言葉に、ヤリス譲りの基本性能の高い走り、独自の使い勝手やユーティリティの高さなど、コンパクトSUVに必要な物を全て揃えたモデルとなります。
ヤリスクロスは2020年8月31日に発売され、9月15日に宮城県にあるトヨタ自動車東日本・宮城大衡工場にてラインオフ式が開催されました。
ここは2011年3月11日に発生した東日本大震災からの「一過性では終わらせない復興への貢献」という豊田社長の強い想いから設立された拠点で、現在は中部、九州に次ぐ「第3のトヨタの生産拠点」であり、豊田社長がこだわりのコンパクトカーが生み出されます。
ラインオフ式では、トヨタ自動車東日本の宮内一公社長から「コロナの脅威のなかでも『経済を回す』を合言葉に、関わる人全てが努力してきました。1台でも多くお届けし、ヤリスクロスが明るい希望になるように!!」と挨拶がありました。
豊田社長はスケジュールの都合で本社からリモートでの参加となりましたが、「プロジェクトに関わっていただいたすべての人に感謝」という言葉に加えて、ヤリスクロスとのふたつの驚きエピソードを披露してくれました。
このヤリスクロス、元々は日本導入計画がないプロジェクトだったといいますが、商品化決定会議の直前に豊田社長の「なぜ、日本に導入しないの?』という素直な疑問から計画が変更されたそうです。
その判断の是非は、「ユーザーからの注目度」、「あのハリアーを超える勢いの予約受注」が証明しています。
もうひとつはこれから流れるTVCMです。
「トヨタのクルマは女性の評判がイマイチと聞いていたので、今回直接関わらせてもらいました。2つのパターンを用意していますが、今までのトヨタとは違うイメージに仕上がっていると思います。ヒントは『女性のファッション雑誌』、ご期待ください」といいます。
ラインオフ式には販売現場からもたくさんのエールやメッセージが届き、どの拠点も「売りまくるぞ!!」とやる気満々の様子。生産現場はますまず忙しくなりそうです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
導入計画が無いなら、それをつらぬけばいいに
日本のユーザーは完全に海外規格のお下がり車に洗脳されてしまってるね。
この流に火に油なのが使えない一部の自動車評論家ですね。