お値打ち900万円「i8」からミッレミリア常連「328」までBMWロードスター3選
BMWのロードスターの伝説「328」の審判はいかに!?
「オープンロード・ザ・ヨーロピアン・サマー・オークション」から約1か月、本来ならばカリフォルニア州のモントレーに多くのカー・マニアが集結する1週間がやってくるはずだったのだが、残念ながら今年は新型コロナウイルス感染症拡大予防の理由でほとんどのイベントが中止となった。
RMオークションのペブルビーチ・オークションも、オンラインの、「シフト・モントレー・オークション」へとシステムを変え、開催するほかはなかった。だがここでは2台のBMW製ロードスター、いや正確にはBMWとアルピナのロードスターのオークションを見ることができた。
●1939 BMW 328ロードスター
まずオンラインで世界中のファンを驚かせたのは、1939年式のBMW「328ロードスター」であった。
328ロードスターは、トータルで464台が生産されたのみ。搭載される2リッター直列6気筒エンジンが発揮する80psの最高出力で、さまざまなレースを制したBMWの傑作である。
この出品車もまたミッレミリアを始め、一流のレースやヴィンテージカー・イベントにエントリーしていたので、BMWファンにはお馴染みの1台といえるのかもしれない。
初期のヒストリーは残念ながら不明だが、1980年代後半までにこの328ロードスターはカリフォルニア州にわたり、それから何回ものメンテナンスを受けながら、モントレー地区のイベントに姿を現している。
RMオークションは、そのクオリティの高さを評価して、予想落札価格を50万−60万ドル(邦貨換算約5300万円−6300万円)と評価。オークションは現在も継続中だが、はたしてどれほどの価格で落札されるのかはとても興味深い。
●2003 BMW アルピナ・ロードスター V8
一方同オークションに出品されたもう一台のロードスター、アルピナ「ロードスターV8」は、2004年から日本でも正規販売がおこなわれたことから、ファンには良く知られている1台だろう。
生産台数は555台に限られ、そのうち450台はアメリカ市場向けに、日本やヨーロッパには105台が割り当てられるという、いかにもオープンカー好きのアメリカを意識した販売戦略がとられた1台だった。
搭載されたエンジンは、Z8では最高出力400psのM社謹製の4.9リッターV型8気筒を搭載していたのに対して、ロードスターV8は4.8リッターのV型8気筒を搭載し、最高出力も389psと若干控えめな数字。ミッションはZ8が6速MTのみとしたのに対して、ロードスターV8はスイッチトロニック機構つきの5速ATを選択している。
エクステリアでの特徴は、何といってもアルピナ独自の20インチ径ホイールであろう。これによってZ8は、オープン・スポーツというよりも、むしろグランド・ツーリング的な、優雅な雰囲気を醸し出すようになった。
インテリアのフィニッシュも同様に美しく、そして高級感に満ちている。
結局このアルピナ・ロードスターV8は、24万7500ドル(邦貨換算約2600万円)で落札。アルピナ、しかもロードスターV8がオークションに出品されることは多くないだけに、この限られたチャンスをものにした落札者は、素晴らしい買い物をしたといえるだろう。
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