なぜポルシェは販売絶好調? コロナ禍でも前年比超え「一人勝ち」の理由
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自動車、とくに輸入車市場は大きなダメージを受けている。そんななか、1月から8月の累計で、前年同期比でプラス成長を続けているのがポルシェだ。上位のドイツブランドが軒並み不調ななか、なぜポルシェは右肩上がりで販売を伸ばし続けられるのだろうか。
2020年1-8月の輸入車市場は全体でマイナス21.7% ポルシェはプラス5.6%
2020年9月4日、日本自動車輸入組合(JAIA)より、「2020年8月度 輸入車新車登録台数」が発表された。
その結果を見ると、外国メーカーのこの8月の登録は1万8183台で、前年同月比マイナス15.4%。1月から8月までの累計は15万1014台で、前年比マイナス21.7%。やはりコロナ禍の悪影響がありありと見える、さんざんな結果となっている。
しかし、そんななか、前年比プラスを堅守しているのがポルシェだ。
8月単月の発売は503台で、前年比プラス10.1%、1月から8月の累計でも4532台で、プラス5.6%となったのだ。
日本では4月7日から5月25日まで約1か月半もの間、特措法に基づく緊急事態宣言がおこなわれ、経済活動がほぼストップしていた。それにもかかわらず、いったいなぜポルシェは好調な販売を維持できたのであろうか。
その答えは、意外と単純なものであった。「独自の販売方法」がその理由だ。
どういうことかといえば、ポルシェの日本での販売は、現物にあるクルマを前に「これを買う」という方法ではなく、「予約したものを買う」、つまり受注生産のようなスタイルをとっているのだ。
そのため、予約から実際の納車までには、それなりの時間が必要となる。だいたいにおいては半年から1年ほど。つまり、2020年前半の登録車は、そのほとんどが2019年に予約されたものとなる。それはコロナ禍の前だから、当然のように、コロナ禍の影響を受けにくかったというわけだ。
ちなみに、2020年の登録車の人気ベスト5は、1位「マカン(ベースモデル)」、2位「カイエン(ベースモデル)」、3位「911カレラ」、4位「マカンGTS」、5位「911カレラS」になっているという。
「台数は公表していませんが、上位3台は非常に僅差となっています。ちなみに718モデルレンジでのトップは『718ケイマンGT4』で、5位のカレラSと大きな差はありません」とはポルシェジャパンの広報によるコメントだ。
1位から3位が僅差であり、5位以下の差もあまりないというのは、どれかひとつ抜きんでて売れているのではなく、全体として、まんべんなく売れているということ。こうした売れ方もポルシェの強みといえるだろう。
ちなみに売れ筋1位のマカンの、日本での予約販売開始は2018年12月、カイエンは2017年12月。注文から納車まで1年ほどかかると考えれば、なるほど、2020年のトップを占めるのも納得といえるだろう。
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