なぜポルシェは販売絶好調? コロナ禍でも前年比超え「一人勝ち」の理由
今後ポルシェ初の市販EV「タイカン」も登場
ポルシェ・ジャパンの販売方法が「受注生産」といえるようなものであれば、コロナ禍の影響を受けるのは、ずばり、この秋から冬にかけてといえる。この先は、いったいどうなるのであろうか。
注目したいのは新型車の存在だ。ポルシェジャパンは、2020年2月に「718ケイマンGTS4.0/718ボクスターGTS4.0」を発表し、予約を開始。また6月にポルシェ初の市販EVとなる「タイカン」、7月に新型「ポルシェ911ターボ」、8月に新型「パナメーラ」の予約をスタートしている。
どれも注目度の高いモデルばかり。これらの売れ行きが、この先のポルシェの登録台数に影響を与えることだろう。
しかし、意外にもポルシェジャパン広報のコメントは力強いものであった。
「タイカンの販売は順調に推移しており、45%が初めてポルシェを購入される方で、95%が現在ガソリン車のオーナーという統計が出ています。2020年内には各販売店で試乗車を配置する予定ですが、台数および納期は公表していません」とポルシェ・ジャパン広報。
驚くのは、予約注文した半数近くの人が「初ポルシェ」というところだ。フルEVということで、これまでポルシェに興味のなかった人を呼び寄せる力となっているのだ。これはEV路線という、新しいポルシェの戦略の発展を予感させる結果といえるだろう。
結果からいえば、ポルシェは、コロナ禍という輸入車だけでなく自動車産業全体を襲った激震にも、現状ではわずかな影響しか見せていない。
もしかすると、ポルシェのような趣味性の高いブランドは、景気の変動にあまり大きく影響されないのかもしれない。ちなみに、「2020年8月度 輸入車新車登録台数」にもう一度目を向けると、1月から8月で前年比プラスとなったのはポルシェだけではない。ほかに「シトロエン」(プラス2.4%)、「フェラーリ」(プラス10.3%)、「キャデラック」(プラス1.3%)、「ロータス」(プラス17.7%)とある。とくに、フェラーリ、ロータスの伸長は注目すべき数字だ。
振り返ってみれば2020年1月から8月、輸入車は全体として2割ほど減ったものの、ポルシェ、フェラーリ、ロータスという、高級スポーツカーブランドは、すべて前年よりも1割も販売を伸ばしている。
さらにポルシェは、「初のEV」という挑戦も成功しそうな気配が濃厚だ。ポルシェの強さは恐るべきもの、としか言いようない結果だ。
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