トヨタ「プリウス」は3代目が狙い目!? 人気ハイブリッド車の中古車動向は?

世界初の量産ハイブリッド乗用車として1997年に発売されたトヨタ「プリウス」は、中古車としてもおすすめの1台です。プリウスの歴史や中古車市場での動向を紹介します。

世界初の量産ハイブリッド車 トヨタ「プリウス」

 いまでは多くのメーカーの多くの車種に採用されているハイブリッドシステムですが、世界で初めて搭載した量産乗用車は1997年に登場したトヨタ「プリウス」です。

トヨタ3代目「プリウス」
トヨタ3代目「プリウス」

 プリウスの名前は、1995年に開催された第31回東京モーターショーに展示されたコンセプトカーで初めて使われました。

 トヨタEMS(Energy Management System)という新たなパワートレインシステムを搭載し、10・15モード燃費は30km/Lを目標としたハイブリッド車とアナウンスされていました。

 内外装はコンセプトカー然としたものでしたが、5ナンバーサイズのボディや、ややハイデッキとした4ドアセダンのスタイルなどは、市販モデルに通じるものがあったといえます。

 そして1997年12月に、世界初の量産ハイブリッドカーとしてプリウスの販売がスタートしました。

 THS(Toyota Hybrid System)と名付けられたパワートレインは、1.5リッターのミラーサイクル方式のガソリンエンジンと永久磁石式同期モーターを併用するシステムで、当時のカタログ燃費は28.0km/L(10・15モード)と、1.5リッタークラスの車両としては驚異的な数値をマークしていました。

 ボディタイプは4ドアセダンながらキャビンを高めに設定し、高い着座位置や広い室内空間を実現していました。

 一方で空気抵抗を抑えるためにフロントグリルとボンネットをシームレスに繋ぎ、Aピラーを寝かせるデザインとした、近未来的なフォルムを採用しています。

 そして2000年5月には大規模なマイナーチェンジを実施。このマイナーチェンジでは内外装の変更だけではなく、エンジンの出力向上やモーターの変更などメカニズム面での変更も多岐に渡りました。

 車両型式もNHW10型からNHW11型になるなど、フルモデルチェンジに近い変更がなされています。

 その後も改良を重ねられた初代プリウスは、最終的にカタログ燃費で31.0km/L(10・15モード)をマークするまでになり、コンセプトカー時代の30km/Lという数値をクリアすることになりました。

 ただし、当時はハイブリッド車への理解がまだそこまで進んでおらず、5ナンバーサイズのセダンながら215万円(登場時)と高価だったため、現在のような人気車種とはならなかったのです。

 2003年9月には2代目へとフルモデルチェンジし、ボディタイプが4ドアセダンから5ドアハッチバックへと変更され、現行型まで続くリアが切り落とされたような空力ボディとなりました。

 搭載されるパワートレインもTHS-IIへと進化し、エンジンはさらに高出力化。組み合わされる新型モーターもより高出力なものになり、初代で聞かれたパワー不足の声に応えています。

 燃費性能はさらに向上し、35.5km/L(10・15モード)という当時の世界最高の省燃費性能を持ち合わせていました。

 そのほかのメカニズムとしては、エンジンがアイドリングストップしていても動作可能な電動インバーターエアコンや、モーターのみで走行が可能なEVモードの採用。量産ハイブリッドカーの先駆けとして、いまでは一般的な装備をいち早く採用していたことも注目すべきポイントでしょう。

 2009年5月には3代目が登場。デザインはキープコンセプトでしたが、ハイブリッドシステムは全体の90%以上を新開発したリダクション機構付THS-IIとなり、搭載されるエンジンは1.8リッターへと拡大。併せてモーターも変更され、2.4リッタークラスの動力性能を実現しました。

 さらに2009年12月からはプラグインハイブリッドモデルの「プリウスPHV」も登場。当初はリースのみでしたが、2012年1月からは一般ユーザーへの市販もスタートしています。

 この3代目モデルでは、プリウスとしては初めて月間新車販売台数ランキングで首位を獲得しました。

 これは当時の「エコカー補助金」も後押ししたといわれていますが、そこから19か月連続で首位を獲得し続けていました。

 現行型となる4代目は2015年12月に登場。トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)を採用した初のモデルです。

 その基本性能の高さとともに、奇抜なデザインが話題になりましたが、2018年12月のマイナーチェンジでデザインが改められました。

 また、燃費性能にもさらに磨きをかけ、「E」グレードでカタログ燃費は40.8km/L(JC08モード)と、リッター40kmの大台を突破しています。

 また、プリウスとしては初めてE-Fourと呼ばれる電気式4WDが選択できるようになったほか、先進安全装備の「トヨタセーフティセンス」も導入されました。

 プラグインハイブリッドモデルのプリウスPHVは2017年2月に登場。見た目に違いのほとんどなかった先代に対して、新型はプリウスとは異なるエクステリアが与えられています。

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