日産とスバルで「手放し運転」に違い? 機能は似ていても両者で大きく違う考え方とは

運転支援機能のひとつとして、走行中にハンドルから手を離すことができるシステムが登場しています。国産車では2019年9月にマイナーチェンジした日産「スカイライン」と、スバルが2020年内にフルモデルチェンジする新型「レヴォーグ」に搭載されていますが、両者はどこが違うのでしょうか。

日産とスバルが手放し運転実現! 両者はどう違う?

 昨今のクルマでは、衝突被害軽減ブレーキを作動できる安全装備と併せて、運転支援機能も注目されています。

 設定速度の範囲内で、先行車がいるときには一定の車間距離を保ちながら追従走行し、作動中にはアクセルとブレーキの操作を車両に任せて、なおかつ車線の中央を走れるように、路面の白線に沿ってハンドルを制御するタイプも増えました。

スバル新型「レヴォーグ」の手放し運転
スバル新型「レヴォーグ」の手放し運転

 これらの運転支援機能はドライバーの疲労を軽減させて安全性も向上させますが、自動運転ではないため、現在普及している機能の多くはハンドルを保持することが作動の条件となっています。

 アクセルペダルとブレーキペダルから足を離せますが、ハンドルを手放し状態にすると、一定時間(国の基準では約15秒)を経過した後に警報が作動。

 この後もハンドルを保持しないと、運転支援機能が解除されてしまい(国の基準では約50秒)、ペダルから足を離せても基本的に手放し運転はできません。

 それが最近では、一部に手放しが可能なシステムも登場しています。

 国産車では、2019年に日産「スカイライン」のハイブリッド車が「プロパイロット2.0」を搭載して手放し運転を実現。

 さらに、2020年8月に先行予約を開始して年内に発売されるスバル新型「レヴォーグ」では、「アイサイトX」に手放し運転機能が備わっています。

 道路交通法では、手放し運転自体は禁止していません。周囲の状況に応じて、車両を安全に運転しなければならないことは定めていますが、ハンドルの保持やペダル操作に関して具体的には述べていないのです。

 しかし国土交通省の「自動運転に係わる国際基準の動向」では、一定の指針が示されました。

 ハンズオフ(手放し運転)の国際基準として、高速道路限定、ドライバーモニター(ドライバーの様子をチェックする機能)の装着、危険最小化制御(ドライバーが警報に応じない場合、車両を安全に停止させること)の採用などが盛り込まれています。

 スカイラインのプロパイロット2.0にも新型レヴォーグのアイサイトXにも、これらの安全性を保つ機能が採用され、手放し運転を可能にしました。

 スカイラインと新型レヴォーグでは、機能に違いが見られるのですが、それは一体どのようなところなのでしょうか。

 スカイラインのプロパイロット2.0は、指定された高速道路上でナビゲーションと連動し、制限速度を上限に手放し運転支援をおこないます。制御が途絶えない限り、渋滞から高速走行まで、ステアリングやペダル操作を車両に任せて長距離を移動できます。

 従来の運転支援機能の多くは、先行車がいないときは設定速度で走り続けるため、急なカーブでは速度が高すぎてしまい、ドライバーがブレーキペダルを踏んで減速する必要がありました。

 プロパイロット2.0ではその点が改善されており、カーブに差し掛かったときは、先行車がいない状態でも、曲がり具合に応じて減速します。

 このほか、走行車線(第1/第2通行帯)を走行中に遅い車両に追い付いたときなど「前方に遅い車両がいます」と追い越しを提案してきます。

 ハンドルを保持しながら車線変更スイッチを押すと、車両側が後方に並走車両のいないことを確認したうえで、車線変更の操舵を支援します。

 使用時に注意したいのは、速度が低く規制されたときです。プロパイロット2.0は標識検知機能により制限速度を読み取り、その速度に合わせて走行するため、状況によってはいきなり時速50kmに制限されることがあります。

 速度を遵守するために車両も少し強めに制動して速度を下げますが、このようなときは、後続車との車間距離に考慮しながら、ドライバーが減速力を緩めるなどの操作も必要です。

 それでもスカイラインのプロパイロット2.0では、設定速度(制限速度の範囲内)を上限に手放し運転がおこなえます。

 これに対して新型レヴォーグのアイサイトXで手放し運転できるのは、時速約50km以下の渋滞時だけです。

 また、アイサイトXにはカーブや料金所手前で減速する機能やウインカー操作で車線変更が可能な「アクティブレーンチェンジアシスト」も備えていますが、50km/h以上で走行している場合はハンドルの保持が必要です。

【画像】日産とスバルの最新システムどこが違う? (44枚)

【2023年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

ぷりずむ へ返信する コメントをキャンセル

4件のコメント

  1. 比べてどうする!
    高度な技術の日産
    スバルのはオモチャ

    • あくまで個人的な意見ですが、オートクルーズ時の安定感や滑らかさはスバルが優っていると感じます。
      日産を卑下はしませんが、オモチャ呼ばわりはあんまりだと思いますよ。

  2. セレナで「手放し運転」をしているけど、体感として手放しは落ち着かないのでハンドルは握っている。

    本格的に「手放し運転」をするならクルーズコントロール操作系を座席のひじ掛け先端部のパームレストに内蔵するとか、センターコンソールのサイドスティックに内蔵するとか、そんな感じ。

  3. 比べてどうする?
    スバルのは実用品
    日産のはCMパフォーマンス用。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー