「売れないジンクス」プリウスが変えた! いまではド定番の5ドアハッチバックセダン3選
今見るとイケてるのに日本では販売されなかった!?
●日産「プリメーラ」
日産は1980年代に『1990年までに走りにおいて世界一を目指す』というスローガンを掲げ、これを「901活動」と名付けてプロジェクトをスタートさせました。
この901活動を具現化した車種は、日本市場をターゲットとした8代目「スカイライン」と「スカイラインGT-R」、北米市場では4代目「フェアレディZ」、そして欧州市場をターゲットとしたモデルが初代「プリメーラ」です。
初代プリメーラは1990年に発売されたFFセダンで、欧州車に匹敵する走りの性能と、快適性の両立をコンセプトとしていました。日本だけでなく欧州市場でも優れたハンドリングが高く評価され、ヒット作になります。
生産は日本だけでなくイギリスでもおこなわれ、1991年にはイギリス製の5ドアハッチバックセダンが輸入・販売されました。
1995年にデザインを初代からキープコンセプトとした2代目が発売。ボディはセダンに加えステーションワゴン、1997年には初代と同様にイギリス製の5ドアハッチバックセダン「プリメーラUK」が追加ラインナップされています。
そして、2001年に3代目プリメーラが発売され、スポーティなセダン/ステーションワゴンをラインナップし、初代、2代目に続き、主に欧州市場をターゲットに開発されました。
一新された先進的デザインに加え、高い機能性、優れたハンドリングと乗り心地の良さを実現しています。
また、イギリス製の5ドアハッチバックも存在しましたが、これまで国内の販売状況が良好ではなかったためか日本では販売されず、欧州のみで展開されました。
5ドアハッチバックセダンの外観は4ドアセダンに準じており、一見すると区別が難しいですが、よりなだらかな角度のテールゲートによって、ワンモーションのフォルムを実現。
また、後部の意匠もセダンとは異なるデザインを採用しています。
エンジンは2リッター直列4気筒ガソリンを基本として、欧州では2.2リッターのディーゼルエンジンも設定されていました。
3代目プリメーラは国内で2005年に販売を終了し、欧州では2008年まで販売されていましたが、後継車はなく歴史に幕を閉じています。
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最後のプリメーラの章にあるとおり、欧州では昔から5ドアハッチバックセダンが高い人気を誇っていました。
さまざまなメーカーから5ドアハッチバックセダンが販売され、いまも健在ですが減少傾向にあります。
やはり、さらに使い勝手に優れたステーションワゴンやSUVの人気が高くなっており、欧州でもとくにエントリーモデルの5ドアハッチバックセダンは、絶滅が危惧されている状況です。