人気のコンパクトSUV ボルボ「XC40」 プラグインHVの走りはどう? 乗ってみた

2020年8月25日、ボルボの人気コンパクトSUV「XC40」にプラグインハイブリッド(PHEV)モデル「リチャージ プラグインハイブリッド T5」が設定された。これによりボルボは国内導入すべてのラインナップにPHEVが設定され、全車が内燃機関のみを搭載した車両がなくなり電動化されたことになる。そんななか登場したXC40リチャージPHEV T5はどんなクルマなのか。実際に試乗した。

XC40リチャージPHEVは満充電で41kmのEV走行が可能

 ボルボとしてはコンパクトなサイズの「40シリーズ」は、世界的に販売が好調だ。日本でも人気があり、2020年1-6月の販売実績をみると3249台で、輸入車モデル別の8位に入っている。

ボルボ「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」。車両価格は649万円(税込)だが、CEV補助金やエコカー減税などがおよそ44万1000円差し引かれる
ボルボ「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」。車両価格は649万円(税込)だが、CEV補助金やエコカー減税などがおよそ44万1000円差し引かれる

 そんなタイミングでボルボの全車電動化戦略の一貫として登場したのは「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」だ。今回撮影・試乗したのはMY2020の事前導入モデルだったが、この夏から日本で販売されるのはすべてMY2021のモデルになる。

 まずは2021年モデルで変更になったポイントをチェックしておく。

●グレード名称の変更。これまではエンジンと電動モーターを指して「ツインエンジン」と表現していたが、充電できるという意味から今後ピュアEV(BEV)とPHEVは「リチャージ・プラグイン・ハイブリッド」という名称になった。これはすべてのモデルで共通となる。

●ボルボが以前に予告したとおり、180km/hの速度リミッターとケアキーを設定。ボルボ車での重傷・死亡事故を無くすためのスピード制限と、保護者の判断でさらなるスピード制限を設定できるケアキーが標準になった。

●Rechargeエンブレムをサイドスカッフプレート、Cピラー、リアエンブレムに採用。

●XC40のリアバンパーデザインが変更され、テールパイプが見えなくなった。MY2020ではインテグレーテッド・デュアルテールパイプを採用していた。

●5年保証の導入。MY2021からはこれまでより長い5年保証が標準になった。

※ ※ ※

 今回登場したXC40リチャージ プラグインハイブリッドT5はPHEVだから、リチウムイオンの二次バッテリーが装備されている。これはセンターコンソールのスペースに配置し、10.91kWhを貯められる(使用可能エネルギーは8.51kWh)。

 電動モーターはトランスミッションに直接マウントされ、電動モーターだけでも、エンジンだけでも、その両方でも駆動できる。組み合わされるトランスミッションは7速湿式デュアルクラッチ(DCT)で、両方デクラッチすればEV走行が可能になる。

 電動モーター走行を最優先したければ、ドライブモードの「ピュアモード」を選べばいい。モーターだけでも135km/hまで出せる。その場合95km/h付近でギアの変速(2速→4速)が起きるが、乗員はほとんど気がつかない。

 ハイブリッドモードがデフォルトの走行モードだ。燃費と走行性能のバランスが取れるように、エンジンとモーターを状況に合わせて使用する。

 パワーモードはエンジンとモーターの両方を常時稼働させる。シフトプログラム、アクセルレスポンス、ステアリング、ブレーキはダイナミックモードになる。

 その他にオフロードモード、任意でセットアップできるインディビデュアルモードもある。

「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」の充電リッドは左フロントドアの前にある
「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」の充電リッドは左フロントドアの前にある

「B3154-HyFAD」と呼ばれる1.5リッターの直列3気筒ターボエンジンは、最高出力180ps/5800rpm、最大トルク265Nm/1500-3000rpmを発揮する。また電動モーターは82ps/4000-11500rpm、160Nm/0-3000rpmを発揮する。後輪には駆動のためのシステムはなく、FWD(前輪駆動)である。

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