人気のコンパクトSUV ボルボ「XC40」 プラグインHVの走りはどう? 乗ってみた
PHEVなのに自然なフィールでPHEVであることを忘れてしまう
試乗の最初は電動モーター走行のピュアモードで走ってみた。1790kgの車重だが、とくに不満なく加速し、流れに乗っていける。必要とあらばアクセルペダルを深く踏み込むと、いい感じで加速する。高速での100km/h走行も楽である。
ただしあまりスピードを上げると、バッテリー残量がすぐに無くなるから注意が必要だ。それでも高速道路も含めて40kmほど走れた。その間はとても静かな走行ができる。
インストルメントパネルの右側には、リチウムイオンバッテリーの残量とアクセルペダルの踏み具合で電動モーターだけで走れる領域とエンジンがかかる領域がわかりやすく表示される。EV走行の最後はスーッとレベルが下がり、エンジンがかかって駆動を始めた。
エンジンがかかると駆動と充電を同時にできる。だからハイブリッドらしいドライビングができる。7速DCTであるが、変速時もスムーズで大人っぽい。よく熟成されているという印象だ。恐らく電動モーターが変速ショックを抑えるべく陰で働いているのだろう。
ハイブリッド車っぽいドライブトレーンのもの足りなさがないので、ドライバーは気を使わず普通のドライビングが可能だ。
ブレーキもバイワイヤーシステムだ。ボッシュ社製ESP9をベースにしたバキュームレスブレーキシステムを採用している。内部モーターとギアにより液圧を発生させる。100%回生ブレーキを使用することが可能になり、燃費も改善する。NVHや制動距離の短縮もできるという。
チャージとホールド機能もPHEVらしい。
チャージは、走行中にエンジンによりリチウムイオンバッテリーが80%に達するまで充電する。目標値に達するとホールドに切り替わり、それが解除されるまで80%を保持する。すでに80%を上回るケースでは、機能メニューのアイコンが灰色で表示され、チャージ機能を起動できないことを表示する。
ホールドは後の使用に備えて残量を保持する。残量が25%から100%でハイブリッドシステムが正常に機能している場合に起動が可能になる。これらの基本条件が満たされない場合は、アイコンが灰色で表示される。
こうしたPHEVっぽいさまざまな機能が使えるのだが、このクルマに乗っていると、動きのどこを取っても自然なフィールで運転できるので、PHEVであることを忘れてしまう。これは、XC40プラグインハイブリッドT5が、とてもよくできたクルマであるという証明でもあると思う。
XC40 Recharge Plug-in hybrid T5 Inscription
・車両本体価格(消費税込):649万円
・全長:4425mm
・全幅:1875mm
・全高:1660mm
・ホイールベース:2700mm
・車両重量:1810kg
・エンジン形式:直列3気筒ターボ+電気モーター
・排気量:1476cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速DCT
・最高出力:180ps/5800rpm
・最大トルク:265Nm/1500−3000rpm
・モーター最高出力:82ps/4000-11500rpm
・モーター最大トルク:160Nm/0−3000rpm
・燃費(WLTC):14.0km/L
・EV走行可能距離:41.0km
・サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤサイズ:235/50R19
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