シビックタイプRは新車価格の3倍以上!? 価格高騰が著しいホンダ車3選
近年、1980年代から1990年代に生産された「ネオクラシックカー」の価格が、世界的に高騰を続けています。なかでもホンダのスポーツモデルはとくに人気があり、コロナ禍においても中古車価格が上がっています。そこで、価格高騰が著しいホンダ車を3車種ピックアップして紹介します。
旧車人気で価格高騰! とくにホンダ車はスゴいことに!?
日産「R32型 スカイラインGT-R」の価格高騰に端を発し、いわゆる「ネオクラシックカー」と呼ばれる1980年代から1990年代に生産されたクルマの価格が上がり続けています。
現在、世界的にコロナ禍にあり、業績が悪化している企業が多いなかでもクラシックカーやネオクラシックカーの価格は下落していないといいます。
なかでも、近年はホンダのスポーティモデルの価格高騰が異常な状況です。そこで、価格高騰が著しいホンダ車を3車種ピックアップして紹介します。
●シティ
1972年に大衆車の初代「シビック」が発売され、1979年に登場した2代目シビックは、グローバルでの競争力向上から1.5リッターエンジンを搭載し、ボディも1クラス上に大型化しました。
そのため、ホンダは初代シビックと同クラスの新たなエントリーモデルの3ドアハッチバック車、初代「シティ」を1981年に発売。
シティの特徴は極端に短いボンネットと、台形のフォルム、そして当時のコンパクトカーとしては常識外れの高い全高です。ボディサイズは全長3380mm×全幅1570mm×全高1470mmと、全長は現在の軽自動車よりも20mmほど短いくらいのコンパクトな設計です。
搭載されたエンジンは1.2リッター直列4気筒SOHCで、最高出力は61馬力(MT車、グロス)とローパワーですが、665kg(「R」MT車)と軽量なボディには十分なパワーでした。
そして、1980年代になるとターボ化の波がコンパクトカーにも押し寄せ、1982年に「シティターボ」を発売。排気量は1.2リッターのまま最高出力100馬力を発揮。
さらに、1983年に登場した「シティターボII」では外観も大きく変更され、エンジンはシティターボに対して空冷式インタークーラーを追加し、最高出力110馬力に向上しました。
高性能路線へ突入していたシティに1984年、華やかな「シティカブリオレ」が加わります。外観はシティターボIIと同様のブリスターフェンダーが採用され、ソフトトップのスタイリングや開閉機構をイタリアのデザイン会社であるピニンファリーナが担当。
オープンでもクローズド状態でも優れたフォルムを実現し、ボディカラーを12色用意したことなども相まって、オープンカーながら異例のヒット作になります。
現在、この3モデルの価格が異常な高騰をみせており、どれも200万円台で販売されています。現存数は多くないため物件数が少なく、選択肢が限られている状況です。
●インテグラタイプR
全車DOHCエンジンを搭載して1985年に発売された「クイントインテグラ」は、シビックとは路線が異なるスポーティモデルとしてデビュー。
2代目からは「インテグラ」のネーミングになり、そして1995年には「NSXタイプR」で高い評価を得た「タイプR」を、インテグラにも展開。レーシングカーのテイストと圧倒的なドライビングプレジャーを得られる、究極のFFスポーツモデルを目指した「インテグラタイプR」が登場します。
エンジンは1.8リッター直列4気筒DOHC VTECを搭載し、最高出力200馬力を発揮。自然吸気エンジンとしては当時世界最高峰のリッターあたり111馬力を達成しました。
ほかにも40kgもの軽量化と高剛性化を両立したボディに、専用サスペンションや空力パーツの装着、専用16インチアルミホイール、レカロ製シートが装着されるなど、ホンダのレーシングスピリッツを象徴する1台でした。
また、初代インテグラタイプRには4ドアモデルも設定され、かなり硬い足まわりながらも、ニーズの多様化も考慮されています。
この初代インテグラタイプRの価格高騰は、まずアメリカで起こりました。北米ではアキュラ「インテグラタイプR」として販売され、現在は程度の良い個体ならば6万ドル(約640万円)から8万ドル(約850万円)で取り引きされており、もはや投機の対象です。
それに引きずられるように国内仕様の初代インテグラタイプRも高騰を続け、いまでは200万円台が中心で、程度によっては300万円台と、新車価格を100万円以上も上まわっています。