車の「MTモード付きAT」なぜ存在? エンブレ目的以外もある存在意義とは

AT車のなかには、「MTモード」がついているクルマが存在します。クルマにそれほど興味のない人のなかには、MTモードを一度も使ったことがない人もいるといいますが、いったいどのような目的で装備されるのでしょうか。

なぜシフト上下が逆のクルマが存在する?

 MTモード付きATを装備する国産車のシフトパターンを見ると、前出の三菱のように奥に倒すとシフトアップ(+)、手前に引くとシフトダウン(-)という車種が多いですが、マツダは反対に奥に倒すとシフトダウン(-)、手前に引くとシフトアップ(+)というパターンを採用しています。

 なぜマツダ車はシフトレバーのパターンを多くの国産車と反対にしているのでしょうか。

マツダ「ロードスターRF」
マツダ「ロードスターRF」

 マツダの広報担当者は次のようにコメントしています。

「マツダ車が他社のシフトパターンと逆にし始めたのは、クルマを意のままに操れる『人馬一体』を実現するためです。

 クルマは加速するときは後ろにG(重力)がかかり、減速するときは前にGがかかります。

 シフトアップ操作が奥に倒すタイプのシフトパターンでは、加速Gとは逆の方向にシフトを操作する必要があり、自然な操作とはいえません。

 そのため、加速中は手前にシフトレバーを引きシフトアップ、減速中はレバーを奥に倒してシフトダウンすることで、違和感の少ないシフト操作が可能になります。

 なお、レーシングカーなどシーケンシャルトランスミッションのIパターンシフトも、マツダ車と同様のシフト操作になっています」

※ ※ ※

 ちなみに、ほかの国産車ではトヨタ新型「スープラ」も、奥に倒すとシフトダウン(-)、手前に引くとシフトアップ(+)というシフトパターンを採用しています。

 シフト操作をマニュアルでおこなえるMTモード付きATのシフトレバーでも、仕様が異なることでメーカーや車種ごとの個性が表れており、設置される大きな意義も、そこにあるといえるのではないでしょうか。

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Writer: くるまのニュース編集部

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