第2世代ランエボの完成形! 三菱「ランサーエボリューションVI」とは?

性能を特化させた「エボ6.5」的な記念モデルも登場

 このトミー・マキネン選手が記録した4年連続ドライバーズチャンピオンを獲得して気を良くした三菱は「トミー・マキネン エディション」という、さらなるスペシャルな限定車も登場させました。

ランサーエボリューションVI「トミー・マキネン エディション」
ランサーエボリューションVI「トミー・マキネン エディション」

 もともとホモロゲーション取得のためのスペシャルなマシンがランエボですが、このトミー・マキネン エディションは、ありがちな記念モデルではなく、内容的にはマイナーチェンジに近いほど手が加えられ、「エボ6.5」といった内容でした。

 WRCをほうふつとさせる専用カラーリングと専用インテリアだけでなく、ターマック(舗装路)での走行を念頭にエンジンとハンドリングを新たに専用チューニング。車高を10mmダウンさせ、フロントストラットバーの装着やステアリングのクイック化などが施され、さらに空力性能を向上させた専用フロントバンパーを装着する本気ぶりです。

 結果としてこのエボVIは、通常版のRSとGSRで7594台、トミー・マキネン エディションで2705台の販売台数を記録。商業的にも成功しています。

 現在の中古車市場では、やはり20年前後も経つモデルだけあって流通量は少なめですが、探せば120万円から購入可能です。ただ車両状態が良好なものは200万円オーバーのタマもあり、すでにプレミア価格がつき始めています。

 なかでも「トミー・マキネン エディション」は、すでにプレミア価格状態。300万円前後で流通しており、当時の新車価格327万8000円(GSR)に迫る勢いです。

 またエボVIは、三菱がワークスとしてWRC参戦した最後のモデルであることも、さらなるプレミア価値を高めている要因のひとつ。純粋に乗っても良し、綺麗にレストアしてコレクター気分を味わっても良しと、もっとも価値のある「ランエボ」といえるでしょう。

※ ※ ※

 第2世代の「ランエボ」の完成形であり、ミツビシ・ワークス最後のチャンピオンズカーというプレミアがついたエボVIは、今でも憧れている人が多いのではないでしょうか。

 とくに海外ではプレミアムモデルとして価値が高いようで、なかには日本円で700万円近い値段をつける個体もあるのだとか。考えてみれば、日本でランチア「デルタインテグラーレ」やフォード「コスワース」などが高額で取引されるのと同じように、世界的に認められた名車である証拠でもあります。

 とくに「トミー・マキネン エディション」は当時筆者も憧れた1台。さすがにがむしゃらに飛ばせるトシではないのですが、いまだに憧れるカッコ良さがあります。「いつかはランエボに乗りたい」とお考えのドライバーには、「今でしょ」と勧めたくなるモンスターマシンです。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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