トヨタ新型「ヤリス」の敵は身内にあり!? 販売9年目「アクア」が今も選ばれる理由とは

2020年8月現在、トヨタで販売されているハイブリッドシステムを搭載したコンパクトカーには、新型「ヤリス」のハイブリッド仕様と、ハイブリッド専用車の「アクア」が存在します 。新型ヤリスは発売から半年しか経過していない最新モデルですが、アクアは発売9年目の長寿モデルです。しかし、どちらも販売が続いていて、アクアも売れ行きでは善戦しています。ユーザーはそれぞれどんなポイントに興味をもって、購入に至っているのでしょうか。

車格が近いふたつのハイブリッドコンパクトカー 違いは?

 トヨタが2020年2月に発売した新型「ヤリス」は、2020年上半期(1月から6月)の新車コンパクトカー市場をおおいに盛り上げ、販売台数ランキングにおいても総合4位にランクインしました。

 そんななか、ハイブリッド専用車ではあるものの同じトヨタのコンパクトカーとしてラインナップされている「アクア」も、発売から丸8年以上が経過しているにも関わらず、販売が継続されているというのですが、それぞれ選ばれる理由とは、いったいどのようなポイントになるのでしょうか。

2020年2月に発売されたトヨタ新型「ヤリス」
2020年2月に発売されたトヨタ新型「ヤリス」

 新型ヤリスは、前身となる「ヴィッツ」から車名変更をともなう全面刷新で生まれたモデルで、全長3940mm×全幅1695mm×全高1500-1515mmのボディサイズを持ちます。プラットフォームには新開発の「GA-B」を採用。

 パワートレインは1リッターガソリンと1.5リッターガソリン、そして1.5リッターガソリン+モーターのハイブリッドが設定され、もっとも燃費の良い仕様では、WLTCモードで36.0km/Lを記録します。

 一方、現在も新型ヤリスと併売されているコンパクトカー「アクア」は、ボディサイズが全長4050-4060mm×全幅1695-1715mm×全高1455-1500mmで、搭載されるパワーユニットは1.5リッターガソリン+モーターのハイブリッドのみという特徴があります。

 もっとも燃費の良い仕様のカタログ燃費は、JC08モードで38km/Lです。JC08モードは、WLTCモードより2割ほど高いカタログ値が出る傾向にあることから、新型ヤリスの方が実質的な燃費性能は優れているとされます。

 そして、前述のとおり新型ヤリスは2020年2月に発売されたばかりですが、アクアは2011年12月発売と、かなり長期にわたって販売されているモデルになります。

 また、日本自動車販売協会連合会が発表する前出の2020年上半期の販売台数ランキングにおいて、新型ヤリスは4万8129台で総合4位ですが、アクアは3万4581台で総合12位。新型ヤリス登場後もアクアは一定の支持を得ていることがわかります。

 ユーザーにとっては、近いサイズ感のコンパクトハイブリッドカーが2車種ラインナップされていることになりますが、最新モデルと長寿モデルは、それぞれどのようなポイントが注目されて選ばれるのでしょうか。

 トヨタの販売店スタッフに聞くと、まずアクアについて次のようにコメントします。

「まず、新型ヤリスとアクアを比べると、アクアの方が後席は広いです。

 そして、それ以上に重要と思うのが見た目の印象です。車種にこだわり無く、燃費のよいコンパクトカーを探しているお客さまに対しては、デザインが重要というのはよく感じます。

 そのうえで、両車をご覧になったとき、落ち着いた雰囲気のあるアクアの方が好きというお客さまは一定数います」

 一方、新型ヤリスについては次のように話します。

「新型ヤリスは、(ヴィッツから比べて)デザインを大きく変えており、だいぶスポーティな印象にしています。メーカーも、スポーティなイメージで売っています。選ばれるお客さまも、そのスポーティなイメージを気に入った人が多いです」

 ちなみに、新型ヤリスはハイブリッド仕様にも4WD車の設定がありますが、アクアは2WD車しかないので、その点では新型ヤリスにアドバンテージがあるといえます。

 一方、ハイブリッド仕様同士のエントリーグレードを比べると、より手頃な価格なのはアクアです。また、発売から年数が経っているので、値引きも期待できます。

※ ※ ※

 前出の販売店スタッフも、新型ヤリスの方が燃費性能が優れていると説明したうえで「カタログ値はさておき、実燃費ではほぼ変わらないレベルにまで縮みますし、燃料費で大差が出るとは思えません。ハイブリッドのコンパクトカーが欲しいというお客さまは、それぞれ好みのクルマを購入されます」と話します。

 ふたつのハイブリッドのコンパクトカーがそれぞれ共存して残っている理由は、デザインの違いをはじめとした、それぞれの雰囲気の好みからくるニーズを取りこぼさないため、という面もあるといえるでしょう。

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