駐車マス不足どうなる? SA/PAはなぜ立体式でなく平置き駐車場ばかりなのか
高速道路上のサービスエリアやパーキングエリアでは、近年利用者の増加や不適切な利用方法によって駐車マス不足という問題が起きています。しかし、ほとんどの場所では平置き駐車場が一般的ですが、なぜ多くの収容台数を見込める立体駐車場を導入しないのでしょうか。
駐車マスが足りないのに立体式がほぼ無い理由とは
近年、高速道路に併設されるサービスエリアやパーキングエリア(SA/PA)の駐車マス不足により、各地で混雑が多発しています。
そもそもなぜSA/PAの駐車場は、商業施設などにある立体式ではなく、平置き式ばかりが導入されているのでしょうか。
駐車マスが不足するおもな原因は、1台の占有時間が長いことです。深夜帯を中心に休憩を目的として大型車の混雑が目立っており、NEXCO東日本によると、東名高速の海老名SAでは6時間以上の長時間駐車が、全滞在量の6割を占めていることが公表されています。
また、大型車マスに普通車が駐車をする、普通車マスに大型車が駐車する、といった各駐車マスの不適切な利用も不足につながる理由のひとつです。駐車できる車両が利用できないことで、本来の機能が発揮できない事態に陥っています。
これらの問題を解消するため、NEXCO東日本・NEXCO中日本。NEXCO西日本の3社連盟による駐車マスの拡充に取り組んでいます。兼用マスおよび普通車マスを含め、2019年は約1350台、2020年は約810台の拡充が決定されました。
しかしながらSA/PAの駐車場は、アクアラインの海ほたるPAを除き、平置き駐車場がほとんどを占めています。一般的に平地スペースに限りがある場合、商業施設やマンションなどでは立体式の駐車場を併設しています。
なお、東京湾アクアラインの海ほたるパーキングエリアでは、人工島に建設している関係上、複合的な立体構造を用いています。
海ほたるのように立体駐車場を導入すれば、より効率的に駐車マスを拡充できるとも考えられますが、なぜほとんどのSA/PAは平置き駐車場が多いのでしょうか。NEXCO東日本の広報担当者は、次のように話します。
「用地の取得、建設費用、維持管理の費用、休憩施設の利用面など、さまざまな面に配慮した結果、平置き駐車場が適切であると判断されています。このように、すべてを考慮したうえで平置き駐車場が一般的であると判断されています。
アクアラインなど一部のサービスエリアにおいては、立体駐車場を設けている場所もあります。こちらも同様に、あらゆる面を考慮のうえで設計されています」
また、NEXCO3社連盟で取り組む駐車マスの拡充において、いま現在のところ立体駐車場の導入は検討していないということです。
しかし、海ほたるのように、場合によっては立体駐車場が適しているケースもあるため、今後において平置き駐車だけになるといったことはないと、NEXCO東日本は話します。
平置き駐車場のメリットは、クルマの出し入れに時間がかからないことです。また、クルマの高さにおける制限もありません。
したがって、トラックをはじめとする大型車の出入りが頻繁にあるサービスエリアでは非常に適した駐車場といえます。
一方、立体駐車場は屋根が付いている分、天候に左右されることなく利用できるほか、セキュリティ面においても平置き駐車場に比べて充実しています。その分、設置費用が大幅にかかる問題は残ります。
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