劇的進化は次の世代!? 過渡期に誕生した車3選
クルマは誕生して以来、日々進化を続けていますが、近年は安全技術や動力性能の向上は目覚ましいものがあります。そうしたクルマの進化の過程では時として大きな転機を迎え、一気に様変わりがおこなわれる機会が存在。そこで、進化の過程で過渡期に誕生したクルマを3車種ピックアップして紹介します。
大きな転換期を迎える直前に誕生したクルマを振り返る
ガソリンエンジンを搭載した自動車が発明されて、130年以上もの年月が経ちました。その間にクルマは進化を続け、直近の20年間では環境性能や安全技術、動力性能の向上は革新的といえます。
そうしたクルマの進化の過程では、大きな転換期を迎えることがあります。そこで、進化の過程で過渡期といえる時に誕生したクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「インサイト」
1997年に世界初の量産ハイブリッド車トヨタ「プリウス」が発売されると、各メーカーもハイブリッド車の開発機運が高まりました。
そして、プリウスの燃費を超えるべく開発されたのが、1999年に登場したホンダ初代「インサイト」です。徹底的な軽量化と空力性能を向上した結果、当時、量産ガソリン車で世界最高の35km/L(10・15モード)を達成しました。
しかし、軽量化のために2シーターとしたことはマイナスポイントで、ヒットすることなく2006年に販売を終了します。
そして、2009年に登場した2代目インサイトは、プリウスを意識した5人乗りの5ドアハッチバックとなり、使い勝手を向上。
3代目プリウスよりも1か月早く発売されると、2009年4月のハイブリッド車月間販売台数第1位を獲得しました。
しかし、インサイトのハイブリッドシステムは、基本的にモーターはエンジンのアシストに徹するもので、定速走行時のわずかな距離のみでしかモーターによるEV走行ができない点が、プリウスよりも劣っており、対抗馬としては不利な状況でした。
プリウスは2代目からEV走行を可能としており、燃費だけでなく販売台数においても大差をつけられてしまいました。
その後、2代目インサイトは2014年に販売を終了。2018年に発売された3代目インサイトは、発進を含めてほとんどの走行を電気モーターとする「SPORT HYBRID i-MMD(現在は「e:HEV」)」を採用し、ハイブリッド車として大幅に進化。
現在、同様のハイブリッドシステムは、「フィット」や「ステップワゴン」なども搭載しています。
●日産「ブルーバード」
日産「ブルーバード」は1959年に初代が誕生し、以来、「サニー」、「スカイライン」と並び、同社の中核を担う重要なモデルとして、代を重ねました。
なかでも1967年に発売された3代目の「510型」は日本のみならず、アメリカでも大ヒットを記録。国産車の海外進出への大きな礎となったモデルです。
そして、1979年に登場した6代目の「910型」は、直線基調のボディデザインと、優れた操縦性が高く評価され、シリーズ最高の大ヒット作となりました。
このヒットを受けて1983年に発売された7代目ブルーバードでは、駆動方式が初代から続いたFRからFFとなるなど、構造上は大きな転換期を迎えます。
しかし、外観は6代目から継承された直線基調のままで、デザインのイメージもキープコンセプトとされました。
すでに当時のデザイントレンドは、セダンも角を丸くする傾向だったため、7代目のデザインは時代遅れとなり、6代目ほどのヒットには至りませんでした。
そして、1987年に発売された8代目では、デザインを一新して洗練されたデザインに変貌。さらに新世代の4WDシステム「アテーサ」を採用するなど、高性能なセダンというコンセプトで、再びヒット作に返り咲きました。