トヨタ新型ハリアーとはどう違う? 新型ヴェンザを2020年9月に発売
トヨタ「ハリアー」の北米モデル「ヴェンザ」が2020年9月から発売されます。新型ヴェンザとは、一体どのようなモデルなのでしょうか。
北米版ハリアー「新型ヴェンザ」を市場投入
北米トヨタは、日本で2020年6月にフルモデルチェンジした「ハリアー」を、新型「ヴェンザ(2021年モデル)」として同年9月初旬より発売すると発表しました。
新型ヴェンザの外観デザインは、クーペのようなエレガントなスタイルで、シャープな形状のヘッドランプやL字型に発光するデイタイムランニングランプでスタイリッシュな表情です。
リアは横一文字に光るテールランプとハイマウントストップランプなどにより、先進的な印象になりました。
室内は、上品なシルバー加飾やレザー調の素材が採用され、上質感を演出。5人が乗るのに十分なスペースを確保しています。
プラットフォームはセダンの「カムリ」やクロスオーバーSUVの「RAV4」などに採用されているTNGA(GA-K)をベースとしており、セダンのような快適さと、SUVの多様性を両立しました。
吸遮音材・制振材の効果的な配置や高遮音ガラスの採用など、徹底した振動・遮音対策により、驚くほど静かな室内空間を実現。
会話を楽しんだり、音楽をより鮮明に聴き取ることができるような、落ち着いた雰囲気を作り出しました。
新型ヴェンザに搭載されている新世代トヨタハイブリッドシステムは、高効率の2.5リッター直列4気筒エンジンと電気モーターを組み合わせたコンパクトなシステムです。
ハイブリッドシステムには新開発のリチウムイオン電池を採用し、小型軽量化と性能を向上。システム合計の最高出力は219馬力を発生し、低速トルクを電気モーターがアシストすることで、加速感と応答性を高めています。
走行モードは、ノーマル、エコ、スポーツの3つを選択でき、さらに、低速から近距離まで電気のみで走行が可能な「EVモード」も設定されました。
新型ヴェンザのPED(Predictive Efficient Drive)は、ナビゲーションシステムの操作を利用して運転習慣を分析し、道路や交通状況を記憶することで、ハイブリッドバッテリーの充電を最適化します。
ドライバーがPEDを選択すると、システムは繰り返しのルートを学習し、車両が減速または停止しそうなタイミングと場所を予測。最適なアクセル開度ガイダンスにより、エネルギー消費量の削減に貢献します。
新型ヴェンザには、ハイブリッドパワートレインのメリットを最大限に活かした「エレクトロニック・オンデマンドAWD」を標準装備。
後輪にトランスファーケースとドライブシャフトを使用する代わりに、後輪に独立した電気モーターを使用し、必要に応じて動力を供給。トルク配分は、定速走行時の100:0から滑りやすい路面での20:80まで、状況に応じて変化します。
新型ヴェンザには、トヨタ初の試みとして、固定式パノラマガラスルーフ「Star Gaze(スターゲイズ)」が用意されています。
エレクトロクロミックガラス技術により、ON/OFFボタンを押すだけで、1秒以内に透明モードからすりガラスモードに切り替えることが可能。
フロストモードでは、スターゲイズが室内を明るくすると同時に、直射日光を軽減し、開放感のある室内を演出します。
安全性能については、TNGAプラットフォームによって優れた衝突保護性を実現し、NHTSAの安全性評価でトップレベルになる見込みだといわれています。
さらに、アクティブセーフティシステムである「トヨタセーフティセンス2.0」を標準装備。
昼間/低照度車両と歩行者検知、および昼間の自転車検知(PCS)を備えた衝突前システム、フルスピードレンジダイナミックレーダークルーズコントロール(DRCC)、ステアリングアシスト付き車線逸脱警報(LDA w/SA)、自動ハイビーム(AHB)、レーントレースアシスト(LTA)道路標識アシスト(RSA)などが含まれます。
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北米での新型ヴェンザの価格は、3万2470ドルから3万9800ドル、日本円で約344万円から約422万円です。
国内における新型ハリアーの価格(消費税込)は299万円から504万円と、新型ヴェンザと比べると、新型ハリアーのエントリーグレードは安く、上級グレードは高く設定されています。
日本の新型ハリアーには、北米にはない2リッターガソリンや2WD車も設定されており、さらにレザーパッケージといったより上質な仕様も用意されています。
新型ハリアーはより多くのユーザーに合うようなグレード体系になっていることが、価格帯の違いに表れているようです。
また、歴代ハリアーは、フロントのエンブレムにチュウヒ(鷹の一種)が採用されていましたが、新型ではトヨタのエンブレムに変更されています。
新型ハリアーでは、チュウヒのデザインがドアパネルに配されていますが、新型ヴェンザには採用されていません。
さらに、新型ハリアーは、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応していますが、新型ヴェンザはそれらに加えてAmazon Alexaにも対応する一方、新型ハリアーのドラレコ機能付きデジタルインナーミラーは新型ヴェンザには設定されないなど、細かな点での違いが見受けられます。
新型ハリアーは、発売から1か月の受注台数が約4万5000台を記録し、早くもヒットモデルとなっています。
新たに北米市場に投入される新型ヴェンザが、新型ハリアー並みのヒット作になるかどうか、今後の動向が注目されます。
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