FF車最速の栄冠はどのクルマに!? ハイパワーエンジンを搭載したFF車5選

2020年7月9日、ホンダは「シビック タイプRリミテッド・エディション」が鈴鹿サーキットにおいて、FF市販車最速となる2分23秒993のラップタイムを記録したと発表しました。前輪だけで駆動力を路面に伝えるFFは、高出力エンジンの搭載は不利とされていますが、近年は大パワー車が続々と登場。そこで、最新のハイパワーエンジンを搭載したFF車を5車種ピックアップして紹介します。

あれ!? 意外なハイパワーFF車がある?

●プジョー「308GTi」

1.6リッターながら262馬力を誇る「308GTi」
1.6リッターながら262馬力を誇る「308GTi」

 プジョーは140年近い歴史のある老舗メーカーですが、かつて日本ではあまりメジャーな存在ではありませんでした。

 そんな状況から一気に日本でも知られるきっかけとなったのは、1983年に欧州でデビューしたプジョー「205」です。205は1986年から日本に正規輸入が開始され、スポーティグレードの「205GTI」が優れたデザインと性能によって人気となりました。

 その後、日本でのプジョーのラインナップは拡大され、2007年にプジョー「307」の後継車として「308」が登場。

 ボディは3ドアハッチバック、4ドアセダン、ステーションワゴン、カブリオレと、多彩なバリエーションを展開しました。

 現行モデルは2013年に発売された2代目で、5ドアハッチバックとステーションワゴンの構成となっています。

 一見大人しそうな実用車に見える308ですが、モータースポーツ部門「プジョースポール」のノウハウを注ぎ込んで、迫力あるスタイルとハイパフォーマンスを兼ね備えた「308 GTi byプジョースポール」が設定されました。

 搭載するエンジンは最高出力262馬力を誇る1.6リッター直列4気筒ターボで、ローギアード化された6速MTが組み合わされ、0-100km/h加速は1.6リッターとは思えない6秒という俊足ぶりです。

 内装もアグレッシブなデザインで、ヘッドアップインストルメントパネルやデジタルタッチスクリーン、スポーティな小径ハンドルなどで構成される「i-Cockpit」を採用しています。

 なお、308 GTi byプジョースポールは、日本仕様も左ハンドルのみです。

●トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」

FF車としてもミニバンとしても高性能な「アルファード/ヴェルファイア」
FF車としてもミニバンとしても高性能な「アルファード/ヴェルファイア」

 最後に紹介するのはプレミアムミニバンのトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」で、意外と思われるかもしれません。

 2002年に発売されたアルファードは、大型ミニバンの「グランビア」と「グランドハイエース」の後継車としてデビュー。それまでFRだった駆動方式をFFに改め、広い室内と上質な走りを実現しました。

 2008年に2代目となると、シャシや装備、パワーユニットなどを共有する兄弟車の「ヴェルファイア」が登場。

 アルファードが上品さを売りにしているのに対して、ヴェルファイアは力強さを感じさせる外観で、若い世代にも人気となっています。

 そして、現行モデルの3代目アルファード、2代目ヴェルファイアは、2015年に発売されました。外観はより押し出しが強くなり、プレミアムミニバンにふさわしい豪華装備が満載です。

 搭載するパワーユニットは、システム最高出力197馬力の2.5リッターエンジン+モーターのハイブリッド「E-Four」(電気式4WD)と、最高出力301馬力を誇る3.5リッターV型6気筒ガソリンエンジンを設定。

 301馬力といえども、さすがに車両重量2150kgのボディではスポーティな走りとまではいきませんが、スムーズかつ余裕のある力強さが感じられます。

※ ※ ※

 現在、FF車では300馬力程度が上限となっています。シビック タイプRが320馬力ですから、これ以上の出力向上は加速時のトラクションが問題となるため、そう簡単には達成できないでしょう。

 それでも、昔と比べたら驚異的な出力です。しかも、このパワーでも安全かつ快適なドライブが可能というのもすごいことです。

 もし、電子デバイスが発達していなかった頃に300馬力のFF車があったら、どれほどじゃじゃ馬だったのか想像もできません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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