33年王者を死守!? 普通のクルマ「カローラ」が爆売れ!? 世界を虜にする魅力とは
世界150カ国で販売され累計販売台数は4750万台以上を誇るトヨタ「カローラ」。2020年上半期の販売ランキングでも2位になるなど直近の販売も好調ですが、なぜこれほどまでカローラは人気が続くのでしょうか。
半世紀以上にわたって販売され続けるロングセラーカー
2020年上半期(1月から6月)に普通車の新車販売台数で2位にランクインしたトヨタ「カローラ」は、なぜいつの時代も売れ続けるのでしょうか。現行モデルが人気の理由からその謎を紐解いていきます。
カローラは、1966年に発売された初代モデル以来、33年間も年間販売台数ナンバー1を守り、2019年には累計生産台数は4750万台を突破。
現在、日本市場では12代目となったカローラシリーズ。ラインナップは、カローラ(セダン)/カローラツーリング(ワゴン)、2018年6月にひと足先に登場した「カローラスポーツ(ハッチバック)」が主力となっています。
加えて、ビジネスユーザー向けに、先代モデルにあたるカローラアクシオ(セダン)/カローラフィールダー(ワゴン)が併売されるなど、多岐にわたるラインナップです。
新型カローラと先代カローラを比較すると、パワートレインは、新型が1.2リッターのダウンサイジングターボや1.8リッター自然吸気、1.8リッターハイブリッドなどを搭載するのに対し、先代は1.5リッター自然吸気と1.5リッターハイブリッドの2種類となります。
これらのカローラシリーズを合わせた販売台数では、2020年1月から6月で5万7235台を記録し、普通車全体で2位となりました。
近年は、ミニバンやSUV、コンパクトカー、さらに軽自動車などに人気が集中した結果、セダンやステーションワゴン市場は縮小傾向にあるといわれているなかで、なぜカローラはこれほどまで人気なのでしょうか。
カローラを販売するトヨタ販売店のスタッフは以下のように話します。
「カローラはさまざまなボディタイプがあるほか、すべてのモデルにハイブリッドが設定されており、その選択肢の広さがお客さまに評価されています。
価格やサイズにおいて、『プリウス』よりも価格が低いことや、『カムリ』や『クラウン』では大きすぎることから、年齢を問わずにコンパクトなセダンがほしいというお客さまからの人気は高いです。
最近でも、プリウスを検討されていたお客さまが結果としてカローラを購入された例もあります」
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実際の価格では、カローラ(ハイブリッド車)は240万3500円、プリウスが260万8000円となるため、約20万円の価格差が存在します。
ボディサイズでも、クラウンは全長4910mm×全幅1800mm×全高1455mm、カムリは全長4885mm-4910mm×全幅1840mm×全高1455mmなのに対し、カローラは全長4495mm×全幅1745mm×全高1435mmとひと回りコンパクトなため、トヨタのセダンでは取り回しやすいのが特徴です。
例えば、「軽自動車以外」「ハイブリッド」「乗り出し250万円以内に抑えたい」というニーズは決して特別なものではありません。
この3つの条件であれば、カローラ以外にも「ヤリス(ハイブリッド車)」や「アクア」なども該当します。しかし、この条件に「セダン」を加えると、カローラ一択となるのです。
また、MT仕様について見てみると、そもそも2020年7月現在のトヨタのラインナップでMT仕様を選択できるモデルはカローラシリーズとヤリス程度で、それ以外ではスポーツモデルもしくは商用車といった限られたモデルとなります。
昨今、MT仕様の需要は決して多くありませんが、それでも「クルマはMTのほうが運転しやすい」と考える人もいるようです。
そうしたユーザーは、決してスポーティだからMTを好んでいるのではなく、「MTに慣れている」、「ペダルの踏み間違いなどを懸念してMTを好んでいる」という例も少なくありません。そうしたニーズの受け皿として、カローラシリーズにMT仕様が用意されていると考えられます。
さらに、過去にさかのぼってみると、トールワゴンタイプの「カローラルミオン」や、ミニバンタイプの「カローラスパシオ」などのモデルも存在し、カローラというブランドのなかで、ユーザーのニーズに合わせた多彩なバリエーションが用意されていました。
つまり、今も昔も、カローラというのはひとつのモデルではなく、ほかのモデルでカバーしきれなかったニーズの受け皿になるという使命を持ち、市場を牽引してきた車種なのです。
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