走破性より見た目重視!? 最近のSUVにFF車が多い理由とは

海外でもFF重視のコンパクトSUVが続々登場? その理由は

 FFのコンパクト4WDが国内市場で支持を広げるなか、海外でも似たような動きがあるといわれています。

FF専用車となった日産新型「キックス」(写真は国内仕様)
FF専用車となった日産新型「キックス」(写真は国内仕様)

 前述の新型キックスは、タイで生産される輸入車ですが、工場のあるタイ本国でも販売されています。そして、現地でもFFのみの設定となっているのです。

 そして、2020年7月9日にタイで公開された新型「カローラクロス」も、FFのみの設定となっています。

 さらに、タイ市場で販売される日本の自動車メーカーのコンパクトSUVを見ると、スバル「XV」やスズキ「ジムニー」などは4WDを設定するものの、現地仕様のC-HRや「HR-V」(日本名ヴェゼル)などはFFのみの設定となっているのです。

 また、マレーシアをはじめほかの東南アジア諸国においても、FFのみ設定のあるコンパクトSUVは存在します。

 東南アジア圏で、FF専用のコンパクトSUVが支持される理由について、国内自動車メーカーの開発者に聞いたところ、次のように話します。

「メーカーごとに細かい事情は異なると思うものの、東南アジア圏で本格的な悪路走破性が求められるのは、商用利用(社用車や自営業など)する場合がメインというのはひとつあります。そうしたとき、ピックアップやフレームSUVに需要があります。

 一方、近年登場しているコンパクトSUVの使用環境は、現地で舗装された都会部に住む、ある程度の所得がある人が買うことが想定され、その人たちを狙ったカテゴリともいえます。

 そのため、舗装路の走行がメインなので4WDは求められない、という考え方はできるかなと思います。

 そのクルマの車格や販売される市場によっても異なるものの、『SUV=4WD』というのは過去のトレンドになりつつあるともいえるのではないでしょうか」

※ ※ ※

 近年のコンパクトSUVにもっとも求められているのがデザインだというのは、世界のさまざまな市場で共通するテーマなのかもしれません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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