復活から1年 まだ街で見かけないトヨタ「スープラ」の販売は順調? それとも不調?
ポルシェ「911カレラ」に比べると少ない販売台数だが
発売から1年が経ち、トヨタにGRスープラの販売実績を問い合わせたところ、次の数字が返ってきた。
2019年5月から2020年4月での、グローバルでの販売数は約9500台。その内訳は、日本国内で約2900台、日本を除く世界市場で約6600台となる。

年間約3万台以上を販売するポルシェ911カレラなどと比べれば、年間1万台弱というのはもの足りない数字のように見える。
しかし一方で、GRスープラはいまも予約でいっぱいという噂も耳にする。つまり、需要と供給の関係でいえば、GRスープラはまだ供給となる生産が追い付いていない状況なのだ。
ちなみにGRスープラは、オーストリアにある「マグナ・シュタイア社」のグラーツ工場で生産され、日本に運ばれてくる「輸入車」になる。プラットフォームはトヨタとBMWの共同開発になり、BMWの2シーターオープンモデル「Z4」とは兄弟車という関係になる。エンジンはBMW製だ。
2020年7月現在もなお、注文してから工場出荷までおよそ6か月。そこから全国の販売店に輸送、そして納車準備という流れがあるため、納車まではさらに時間がかかる。
発売から1年を過ぎても、いまだにGRスープラに対する市場の注目が高いという証拠だ。
こうした状況は、トヨタの努力の結果だろう。発売して、それで終わりではなく、レース参戦やGT4バージョンの発表。さらには発売1年を待たずのエンジンの改良。こうしたトヨタのアクションが功を奏したということだ。
幸先良い発売から1年を過ごしたGRスープラだが、こうした動きが継続的にあれば、その人気も高く保つことができるはず。まだまだGRスープラの光輝く時期は続くのではないだろうか。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。





















