洪水警報時にはパチンコ屋に避難せよ!? 車の垂直避難に適する場所とは
スーパーやショッピングモールも駐車場を開放
2019年10月の台風19号襲来の際、筆者(加藤久美子)はクルマ2台を近所にあるオーケーストア(首都圏1都3県に展開するディスカウントスーパー)の立体駐車場に避難させました。家のすぐ裏にある鶴見川の支流が警戒水域を超えており、クルマが冠水するかもしれないという状況だったのです。
その際、最寄り駅近くにあるスーパーの立体駐車場は店舗自体が営業していないことで駐車所も閉鎖されていましたが、一か所だけオーケーストア川和町店の駐車場が入庫可能でした。
店舗自体は台風で休業していたので、念のため精算機に掲示された管理会社に聞いてみたら、「水害から避難するクルマのためにゲートを開放しています。お使いいただいて結構です」との神対応でした。
また、こちらは一般利用も可能な時間駐車場を兼ねているため、停電になってゲートが開かなくなるとクルマが出られなくなる危険がある、という理由からもゲートを開放していたそうです。
駐車場に入ってみると、2階・3階はほぼ満車。屋上は台風で飛んで来るかもしれない飛来物を避けるためか数台のみ駐車していました。
オーケーストア以外にも色々調べてみると大規模な水害発生が予想される地域では、洪水や高潮からクルマと住民を守るための避難場所として、商業施設などと協定を結んでいる自治体が少なくないことが分かりました。
例えば東京都葛飾区の場合、公共施設以外にイトーヨーカドー四つ木店とアリオ亀有については「民間施設とも協定を締結し、水害発生時には駐車場を一時避難場所として使用できるものとしている」と紹介しています。
その理由として「これらの施設は浸水域内の施設であるが、浸水しない高さにある駐車場などを活用しており、アリオ亀有は約2000台、イトーヨーカドー四つ木店は約400台の駐車が可能である」としています。
また、栃木県佐野市では2019年10月の台風19号で堤防が決壊し多くのクルマが水没したこともあり、2020年6月に大型商業施設「佐野プレミアム・アウトレット」と施設などの提供に関する災害協定を結びました。近隣で洪水災害の恐れがある場合、施設の立体駐車場(最大3300台)を一時避難場所として市民に開放されます。
パチンコ店やスーパー、ショッピングモールの駐車場など、立体駐車場のある施設では多くが大規模水害の発生時にはクルマの一時避難場所として機能しそうですが、すべてがそうとは限りませんので、各市町村の災害対策関係の部署に確認するか、もしくはそれらの商業施設などにあらかじめ確認することが確実と思われます。
なかには自治体と災害支援協定を結んでいなくても、避難場所として開放される場合もあります。
そして、大切なことは雨風がそれほど強くないときに避難させることです。昨今は天気予報の精度も高まっており、記録的な大雨になる予報も1日から2日前までには出されることが多いので、まだそれほど大変な雨になっていないタイミングで、大切な愛車を垂直避難できる安全な場所に移動させておくことをお勧めします。
また、災害時は「火事場泥棒」が多く発生する危険もあります。施錠はもちろん、出来うる限りの対策をとっておきましょう。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
パチンコ屋の「駐車場へ」という言葉をわざと抜いた加藤久美子の浅ましさと性格の悪さを感じました。そんな姑息な手段で閲覧数を稼ぐのはやめて、もっと自動車や社会の勉強をして記事内容で勝負していただきたいですね。