1000万円オーバー! ブリフェンのランチア「デルタ」赤丸急上昇中!!

ラリーシーンを席巻したランチア「デルタ」のなかでも、ブリスターフェンダーのボディをまとった「デルタHFインテグラーレ」は、日本でも非常に人気のあるモデルだが、レストアを施されたバリ物はオークションでどれくらいの落札価格なのだろうか。

ジウジアーロが手掛けたWRCカー

 1979年に誕生したランチア「デルタ」は、当時最強のライバルであったVW「ゴルフ」と同様に、イタル・デザインのジョルジョット・ジウジアーロのデザインによる直線を基調とした端正な5ドアボディを持つモデルだった。

 同じフィアット・グループからは、ひと足先に「リトモ」が市場へと投じられていたが、デルタの持つ高級感はカスタマーから非常に高い人気を得ることになった。

ランチア「デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネII」の落札価格は、8万9100ユーロ(約1069万円)(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
ランチア「デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネII」の落札価格は、8万9100ユーロ(約1069万円)(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 だがランチア・デルタの名前を世界的に轟かせる直接的な理由となったのは、5ドアハッチバックとしての高級感や機能性ばかりではなかった。

 ランチアはデルタを発売すると、それまでと同様にそれをモータースポーツの世界へと参戦させることを計画。選択されたのはもちろん、当時グループBの車両規定で競われていた、WRC(世界ラリー選手権)だった。

 ラリー選手権にエントリーしたデルタ、すなわち「デルタS4」は、市販車とはデザインもメカニズムも直接の関連性はなかった。

 しかし、1987年シーズンからそれに代わってスタートしたグループA車両によるWRCは、より市販車に近い仕様での競技ということになり、さらにセールスに直接影響を及ぼすことになった。

 ここで誕生したのが、デルタ・ベースの競技車両「HF 4WD」である。

 続く1988年の「HFインテグラーレ」では、ブリスターフェンダーが装備されるとともにエンジンもさらに強化され、1989年の「HFインテグラーレ16V」では搭載される2リッター直列4気筒エンジンも16バルブ化されている。

 WRCにおけるデルタの強さは、まさに圧倒的なものだった。1992年には前年に5年連続でタイトルを獲得したことを受けて、「インテグラーレ5」を、翌1993年には「インテグラーレ6」が限定販売されている。

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