注目のホンダ新型「アコード」に試乗 競合のドイツ車セダンに勝るポイントとは
2020年2月21日にフルモデルチェンジして登場した10代目となるホンダ新型「アコード」。ハイブリッドシステム「e:HEV」や新世代プラットフォームを採用、その走りが注目されたが、その後のコロナ禍によりなかなか試乗する機会がなかった。今回、東京・青山にあるホンダ本社ベースの試乗会が開催された。
ホンダを代表するグローバルモデル
満を辞して日本仕様のホンダ新型「アコード」が登場した。
1976年に初代が誕生して以来、世界戦略車として累計2000万台を販売したという。その10代目となるアコードである。
じつはこのアコード、すでに2017年にデビューし、2018年にはハイブリッド車も加えてアメリカ、中国では販売を開始している。2019年からはアジア圏でも販売を開始し、日本はいちばん後回しになっていた。
アメリカでは年間26万台、中国では年間21万台も売れているという。日本では年間5000台に満たないから、後回しになっても仕方がないのかもしれない。
中国ではこれまでトップの座にあったフォルクスワーゲン「パサート」を抜いたという。新型アコードの購入者の年齢が50歳代から40歳代、30歳代と若くなっているそうだが、中国では平均年齢が29歳というから驚きだ。新型アコードが若い層に人気が出たのが勝因だ。
日本仕様のアコードは、ハイブリッド(HV)のモノグレードに絞られている。アメリカ、中国、タイにある工場のうちで日本仕様の生産国はタイなので、たくさんのグレードとオプションなどの仕様が増えると、対応が難しくなるからだ。そもそもアコードは、日本では上級グレードしか売れなかったので、そこに集約したというわけだ。
エクステリアデザインは最近流行のスタイルで、セダンでもファストバックスタイルにしている。サイドパネルのうねりと、ドア下部から後ろに向かって跳ね上がるラインも若々しい。この後ろに流れるような躍動感は、止まっていてもまるで走っているかのように見える。
インテリアはオーソドックスにまとめられている。POWERスイッチはダッシュボードのドアサイドに設けられているが、これは緊急時、助手席からでもOFFにできるように中央側にするべきだろう。ちなみに左ハンドル仕様のアコードは中央側になっている。
ただしEPB(電子パーキングブレーキ)がセンターコンソールにあるため、運転者が気を失っても助手席からEPBスイッチを引き続ければクルマが止まってくれる。
シートに座ると、アメリカンな雰囲気が漂う。これまでよりもヒップポイントを下げたそうだが、シートのフレーム剛性は高くなく、クッションも低反発ウレタンのようで、身体をしっかりと支えるというよりもリラックスムードになってしまう。
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