トヨタ「A80スープラ」は本格スポーツカーだった! いまでも魅力的な4代目スープラとは

A80スープラは排ガス規制に対応できず2002年に生産終了

 1996年4月のマイナーチェンジが実施され、自然吸気エンジン搭載のスポーツグレードSZ-Rに、ターボモデルと同じゲトラグ社製の6速MTを搭載しました(SZグレードは5速MTを継続採用)。

 その一方で、最高級仕様のGZ系グレードが廃止となり、エアロトップは自然吸気エンジンのSZのみとなりました。

トヨタ「スープラ」(A80系・後期)
トヨタ「スープラ」(A80系・後期)

 また、エクステリアも若干変更が加えられ、灯火類などのデザインも一新し、いわゆる後期型となっています。

 そして1997年8月に最後のマイナーチェンジをおこない、ターボエンジンを可変バルブタイミング機構であるVVT-i付きのものに換装。

 最大出力は当時の自主規制値の280psのままですが、トルクは2kgf・mアップの46.0kgf・mとなったほか、RZとSZ-Rには相互連携ショックアブソーバーシステムの「REAS(リアス)」を採用しています。

 その後、ボディカラーやタイヤサイズの変更などの細かな改良を続けたA80スープラでしたが、ほかのスポーツカーと同じく2002年7月に新たな排出ガス規制に対応することなく生産を終了。スープラの名前は長い眠りにつくことになりました。

※ ※ ※

 現在のA80スープラは、中古車市場で高値安定しています。自然吸気モデルやATモデルは比較的手が届きそうな価格ではありますが、それでも200万円弱となかなかの価格です。

 ターボのMTモデルともなると、当時の新車価格を超えるものも珍しくありません。

 A80スープラは、北米市場にも正規輸出されていたため、25年ルールでの海外流出はあまり縁がないと考える人がいるかもしれませんが、じつは正規輸出は1998年で終了しており、VVT-i化されたモデルは北米では設定されていませんでした。

 そのため、あと数年後にはこれらのモデルが25年ルールの対象となり、より高値になることは確実視されています。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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