いまでは失われた個性的なデザインのモデルとは!? 変顔な車5選

クルマのデザインでとくに重要なのがフロントフェイスです。文字どおりクルマの「顔」にあたる部分ですが、顔の良し悪しで販売台数が大きく左右されることもあります。そこで、かなり個性的なフロントフェイスのクルマを5車種ピックアップして紹介します。

変顔クルマ界のレジェンド的存在の高級車2台

●ランチア「テージス」

げっ歯類のような表情に見える「テージス」
げっ歯類のような表情に見える「テージス」

 ランチアがつくるクルマは、「ストラトス」や「デルタHF インテグラーレ」などスポーツカーが日本で有名ですが、これまでコンパクトカー、セダン、ステーションワゴンと、さまざまなジャンルのクルマを生産してきました。

 なかでもユニークなモデルが、2001年に発売された高級セダンの「テージス」で、ランチアのラインナップではフラッグシップに位置するモデルでした。

 テージス最大の特徴はフロントフェイスにあり、クラシカルな高級車を目指したといいますが、パッと見は小動物のような印象です。反対にリアのデザインはシンプルで、前後の見た目に大きなギャップがあります。

 このデザインはコンセプトカーをベースにしており、ほぼそのままのデザインで市販化されました。

 テージスはフルモデルチェンジすることなく2009年まで生産され、イタリアではマセラティ「クアトロポルト」と並ぶプレステージサルーンとして愛されました。

●フォード「スコーピオ」

高級感ゼロのフロントフェイスが酷評された「スコーピオ」
高級感ゼロのフロントフェイスが酷評された「スコーピオ」

 欧州製ラグジュアリーカーというと、昔からメルセデス・ベンツとBMWが高いシェアを誇っていますが、それに対抗して欧州フォードから1985年に初代「スコーピオ」が発売されました。

 ボディタイプは当初、5ドアハッチバックのみでしたが後にセダンとステーションワゴンが加わり、欧州での初代スコーピオの評価は高く、1986年には「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したほどです。

 そして、1994年にモデルチェンジされた2代目では、内外装のデザインを一新。また、サスペンションの改良により走行性能の向上が図られました。

 しかし、小ぶりなヘッドライトとグリルを配した高級車らしからぬフロントフェイスと、ボッテリとしたリアのデザインが酷評され、販売は極端に低迷。

 後に、デザインの変更がおこなわれましたが販売台数が好転することなく、スコーピオは1998年に生産を終了。後継車は無く、これがきっかけで欧州フォードは高級セダン市場から撤退してしまいました。

※ ※ ※

 近年のクルマは、精悍なフロントフェイスを採用しているケースが多い印象で、どのモデルも怒り顔の表情です。

 デザインには流行があり、精悍なフロントフェイスはそれだけでカッコよく見えますから、採用されるのも納得できます。

 しかし、横並びにどれも同じような表情で、昔の方が個性的だったかもしれません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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