新型車はカーナビ標準装備が当たり前に? なぜ後づけ装着不可な車種が増加したのか
クルマのナビは、これまではディーラーなどでのオプションや、カー用品店などで購入する、後から付け替えられるものが一般的でした。しかし、近年は交換できない車種が徐々に増えています。いったいなぜなのでしょうか。
好きなナビを選びにくくなった? なぜなのか
カーナビゲーション(以下、カーナビ)は、工場出荷時にメーカーオプションとして装着するタイプのほかに、販売店やカー用品店などで後付けするタイプも多くあり、ユーザーが好みの製品を選択できるものでした。
しかし、近年発売される新型車では、独自のカーナビやディスプレイを標準搭載しているクルマもあり、後付けすることが難しい場合も出てきています。なぜ、メーカー独自装備が偏重されているともいえる動きがあるのでしょうか。
2020年6月8日に発売されたトヨタ「RAV4 PHV」は、9インチディスプレイオーディオを標準装備。
スマートフォン連携にも対応しているほか、「T-Connectナビキット」や「エントリーナビキット」をオプション装備することで、カーナビ機能も追加されます。
トヨタはディスプレイオーディオの普及を積極的に推し進めており、「カローラ」や「ヤリス」などの車種で標準搭載しています。
ただし、この場合ではユーザーは最初から装備されているディスプレイ(カーナビ)を使うかたちです。
後付けカーナビは装着不可となり、カーナビを製造するアルパインも、「トヨタ純正ディスプレイオーディオ付きの車両に、弊社カーナビは取り付けできません」(2020年1月時点)とアナウンスしていて、選択できるカーナビは限られてきます。
トヨタ以外にも、マツダをはじめ内装と一体化したディスプレイを装着している例はほかにも存在しています。
ディーラーオプションとしてカーナビの設定があるにも関わらず、なぜ独自のディスプレイを搭載するクルマが増えているのでしょうか。
理由としては、トヨタをはじめ多くのメーカーがコネクティッドサービスを積極的に展開していることが挙げられます。
コネクティッドサービスとは、クルマに通信機が搭載されネットワークと通信することで、ユーザーがさまざまなサービスを受けられるようになるというものです。
前述のディスプレイオーディオは、通信機(DCM)とセットで用意され、ユーザーが気づかないうちにクルマはネットワークと通信しています。
トヨタは、「2020年9月17日発売の『カローラ/カローラツーリング』のフルモデルチェンジより、新型車へのスマートフォンとの連携可能なディスプレイオーディオおよびDCMの標準装備を進めており、コネクティッドカーの普及に取り組んでいます」と説明。
カーナビの種類を絞りたい、という意図ではなく、クルマに通信機能を持たせる取り組みの一環としてディスプレイの標準化が進んでいるのが現状なのです。
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