今こそセカンドカーで持ちたい! 窓も屋根もドアもない「スマート」を中古で探す
風を感じる爽快な走りは唯一無二の楽しさ
搭載されたエンジンは598ccの直列3気筒インタークーラー付きターボの「SUPREX」。ベースのスマート・カブリオよりも15psパワーアップした最高出力70ps、最大トルクも5Nm向上した100Nmを発生していた。
組み合わされるトランスミッションは、6速セミATの「SOFTOUCH(ソフタッチ)」。これはマニュアルトランスミッションをベースにしたシングルクラッチATで、オートマチックモードもあったのだが、この自動変速モードで走ると変速する際の空走感が大きかった。
初代スマートはクーペ、カブリオ、クロスブレード、ブラバスとすべてこのソフタッチを採用していたため、ほとんどのオーナーは、シフトノブを奥に押してシフトアップ、引いてシフトダウンのマニュアル変速をおこなっていたという。
筆者は2012年夏に東海地方で開催されたミーティングで、オーナー車を試乗させてもらったことがある。新車購入してから持ち続けているということだったが、まだ走行距離は1万kmを下回っていた。
速度を上げていくと、当然ながら直接顔に風が当たってくる。リアからのエンジン音が直接耳に届いてくる。そのフィーリングはバイクとも違い、なんとも不思議な感覚だった。そして、街行く人々の視線が痛い。これほど注目されたモデルは後にも先にも記憶がない。
スマート・クーペよりも重心高が低いせいか、コーナリングもロール感をともなわずにすっきりとクリアしていく。
ただし、スーパーセブンほどドライバーの視線が低くないため、レーシーな感じでもない。速度を上げなくても確かに気持ちの良い走りが楽しめた。
世界にただひとつ、スマート・クロスブレードのみの走行フィーリング。屋根もなく窓もなく、突然雨が降ったら濡れるしかないというこの潔さが良い。
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そんなスマート・クロスブレードを手に入れるには、こまめに中古車サイトをチェックしていくほかない。なんたといっても日本で59台しか正規輸入されなかった限定モデルだ。当然、なかなか中古車市場には出てこない。
ただ、このモデルは程度の良い個体が多いことでも知られている。基本的には屋根のあるガレージで保管されるはずだし、走行距離もまだ1万kmに達していないモデルもあるようだ。
10年ほど前には、中古市場で200万円を切るような価格で販売されていたこともあったが、現在では18年前に発売された当時の新車価格を超える、300万円超で取引される場合もあるという。
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