日産「マーチ」は実は輸入車!? 海外生産の日本車がイマイチ売れない理由

海外で生産され、輸入される日本車は意外と多く存在しています。そういった車種は売れ筋とはいえず、販売台数も少ない傾向があります。それは一体なぜなのでしょうか。

意外に多い!? 海外で生産されている日本車

 海外工場で生産され、日本で「輸入車」として販売されているモデルは意外に多く存在しています。

 トヨタはBMWと共同開発した「スープラ」、ピックアップトラックの「ハイラックス」、商用車の「タウンエース&ライトエース」を輸入しています。タウンエース&ライトエースは、インドネシアにあるダイハツの工場が生産する車両です。

日産4代目「マーチ」はタイで生産された輸入車
日産4代目「マーチ」はタイで生産された輸入車

 日産は「マーチ」、ホンダは「シビック」、「アコード」、「NSX」、スズキは「エスクード」、「SX4 Sクロス」、「バレーノ」などが海外で生産されています。

 これらの売れ行きは、すべて好調とはいえません。2019年度(2019年4月から2020年3月)の登録台数は、トヨタの正規輸入が1年間で2万2661台でした。

 1か月平均では全車を合計して1888台です。この内スープラは2019年5月に国内で発売されましたが、当初は納期が遅れて、10月頃から徐々に増えています。

 マーチは初代から3代目までは堅調に売れましたが、2010年に発売された現行モデルの4代目はタイで生産される輸入車で、売上は低調です。

 東日本大震災後の2012年には、1か月平均で3308台を登録しましたが、2015年は1290台に下がり、2019年は約800台でした。先代型の3代目は、発売直後には1か月平均で1万台以上を登録して、その後も2500台前後は売れたので4代目は少ないです。

 マーチの売れ行きが下がった一番の理由は、タイ製になったことではなく、車両自体の魅力が根本的に薄れたからです。

 内外装の質は3代目よりも低く、後席の背もたれを倒すと、荷室との間に大きな隙間ができます。乗り心地とノイズも粗いです。

 2008年後半に生じたリーマンショックによる経済不況の影響もあり、4代目マーチはコスト低減を重視して開発され、質感を幅広く低下させました。同じく2010年に発売された従来型トヨタ「ヴィッツ」も、発売当初は質感に不満がありました。

 シビックは国内販売を一度終了して海外専用車になりましたが、セダンを国内の寄居工場(埼玉県)で生産することになり、ハッチバックとタイプRを輸入して復活させました。

 シビックも登録台数は少ないですが、シリーズ全体では1か月平均で900台から1000台になります。売れ筋は国内生産のセダンではなくハッチバックなので、日本メーカーの輸入車では売れ行きが多い部類に入ります。

 同じホンダ車でもアコードは販売台数が少なく、1か月の目標も300台です。現行アコードは、北米では2017年に登場しながら、日本国内の発売は2020年2月でした。

 フルモデルチェンジでクルマの安全性が高まることを考えると、日本では約3年間にわたり、海外に比べて安全性の劣ったアコードを売っていたといえます。

 昨今の日本車は世界各国で販売され、すべての国と地域で同時に発売するのは難しいですが、3年の時間差は開きすぎです。とくにいまは安全性が急速に進化しているので、時間差を埋める努力が必要です。

 ちなみに最近のマツダは、プラットフォームや各種ユニットを幅広く共通化しており、ひとつの車種で安全装備が進化すると、同じ内容を時間を置かずほかの車種にも適用しています。頻繁に改善すると購入時期を見極めにくいですが、安全性を公平に高めるメリットは圧倒的に大きいです。

 NSXは売れているのか否か分かりません。販売できるのは一部のパフォーマンスディーラーのみで、販売状況を尋ねても「注文は受けられますが、正確な納期は生産時期が近付かないと分かりません」と返答されます。

 NSXの登録台数は、1か月にわずか2台程度です。このような事情もあり、販売会社のホームページに、NSXの情報はほとんど掲載されていません。

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